ニュース

【3・11特集】原発の危険性を訴えた注目記事まとめ

―[3・11特集]―
 原発は本当に必要なのだろうか? 福島原発事故は、今まで安全と信じられてきた原発のあり方を根本的に見直す契機となった。事故が起きるまでは、その危険性について、人々の関心は低かった。しかし、事故が起きてから、人々の最大の関心事は「福島原発から飛来する放射性物質が健康に与える影響」となっていた。SPA!では健康に与える影響についての情報とともに、原発が抱えている多くの問題を取材。本記事では、1年間にお伝えした記事の中から、改めてその危険性を実感させられる記事を紹介する。 ◆“ウラン残土”リサイクルレンガが一般流通!?
ウランレンガ

残土から作られたウランレンガ。1個90円

 福島第一原発の廃炉解体費用は6基で計7兆円。そう試算したのは、日本の金融機関の環境情報を発信する市民団体「FGW(Finance GreenWatch)」だ。原発は、廃炉にするとしても莫大な費用がかかるのだ。さらに、原発だけでなく、核関連施設も“核のゴミ”の処分が問題となっている。膨大なウラン残土の処分に困っているのが、人形峠環境技術センター(岡山県)。ここでは長年、ウランの精練や転換を行ってきたが、2001年に事業を終了した。現在は、大型‌解体に向けての準備中だ。かつてウラン採掘をしていた人形峠では、採掘後に放射線を出す膨大な残土が残った。この撤去をめぐり、地元住民は裁判を起こし勝訴したのだが、この処理に困った機構は、2009年からそれを土と混ぜ、レンガとして売り出していたのだ。 ※特集「[原発のゴミ]が引き起こす地獄絵図」より ⇒ https://nikkan-spa.jp/5974 ◆原発事故後、学校給食では福島県産牛肉が使われていた 「原発事故後、スーパーなどの店頭から福島県産牛肉が消えました。その一方で、学校給食ではあいかわらず福島県産牛肉が頻繁に使われていたのです」こう証言するのは、横浜市議会の井上さくら議員。井上議員は、横浜市の学校給食で使われた牛肉の産地について調査を行った。「給食の材料は前もっていくらと決められているので、安いものを使えば使うほど業者は儲かるというわけです。そのため、市場で売れずに値崩れした肉が給食に回ってくる。放射線の影響を受けやすく、本来なら大人よりも安全な食べ物を食べるべき子供たちの給食に、福島県産牛肉が集中していた疑いがあります」。食品の放射能汚染に対して不安が高まっているなか、牛肉トレーサビリティ法の『どこで誰が育てたのかといった情報の公開は任意』では、消費者の不安は拭えそうにない。より徹底した検査と管理体制が求められている。 ※「給食に使われた福島県産牛肉『詳細記載なし』の謎」より ⇒ https://nikkan-spa.jp/45434 ◆除染よりも避難支援を! 福島の子供たちの被曝が止まらない  福島市は9月27日、市内全域を対象とした除染計画を発表した。しかし、この計画は市民の安全を守るためのベストな方法だったのだろうか。福島県で農業を営む佐藤幸子さん(53歳)は、この計画に強く反対した。「私は4人の子供を県外に避難させました。しかし、経済的な理由や仕事の都合などで『避難したくてもできない』という人もたくさんいます。福島市内では、大波地区や渡利地区など高い放射線量が計測されている場所がいくつもあるんです。一刻も早く自主避難希望者への支援をしなければ、放射線の影響を受けやすい子供たちがどんどん被曝してしまう」 ※「福島の子供たちの被曝が止まらない」より ⇒ https://nikkan-spa.jp/69339 ◆北海道に地震がきたらM7.5級 日本は食の生命線を失う  もしも北海道の泊原発周辺で、福島と同程度の事故が起きたとしたら……。近隣のニセコ、余市、小樽といった人気の観光地は全滅し、原発から70kmの札幌が行政マヒを起こす。放射能の被害は次第に漁業、農業、酪農業に及び、「北の食糧基地」は壊滅。日本は食の生命線を失う。 ※「北海道泊原発がヤバい!」より ⇒ https://nikkan-spa.jp/102630 ◆茶葉名産地でセシウム検出  2011年5月に神奈川県の南足柄茶で570Bq/kgという暫定基準値(500Bq/kg)超えのセシウムが検出されて以来、6月には静岡県の本山茶(679Bq/kg)、埼玉県の狭山茶などでも暫定基準値超えが続出。そのため、日本茶の消費量が原発事故後に激減した。特に狭山茶はセシウム濃度が高く、消費者の買い控えが進み廃業に追い込まれる業者も続出した。 ※「【茶葉名産地でセシウム検出】生産者の苦悩とは?」より ⇒ https://nikkan-spa.jp/112701 ◆“最後の被爆医師”が語る人体に与える内部被曝の脅威  広島市への原爆投下により自身が被爆、その後被爆者の救援・治療にあたる医師、肥田舜太郎氏はこう断言した。「よく年間何ミリシーベルトだとか、毎時何マイクロシーベルトまでなら大丈夫だとか言われていますが、これは外部被曝の場合のことです。内部被曝というのは外部被曝と違って、放射性物質を体内に取り込んでしまい、1日24時間ずっと被曝し続けるというものです」つづけて、「専門家というのは、政府の責任を隠したり、業界の利益を守ったりするために、ときに意識的にウソをつくことがあります。中には知らなくて言っている人もいますが。正確には、『今は大丈夫です。でも先々は病気になる可能性もありますし、何とも言えません』と言うべきでしょう」 ※「内部被曝の恐怖『何ミリシーベルト以下なら大丈夫』はウソ」より ⇒ https://nikkan-spa.jp/116116 <構成/日刊SPA!取材班>
おすすめ記事