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ステイホームが退屈な独身貴族たち。月収50万円でも貯金ゼロの理由

自粛中に趣味三昧も、ボーナスなしの絶望

[貯金0円家族]の危機

「久しぶりに外出した」と力なく笑う、森本健吾さん(仮名・48歳)

 コロナの影響がもっとも大きい業界と言っても過言ではないのがイベント業界。 「4月から自宅待機という名の休業が続いているのですが、いつそれが終わるのか先が見えない」と語る森本健吾さん(仮名・48歳)は、これまで大手イベント会社で大型施設の管理やコンサート運営に従事してきた。 「管理と言っても、僕の仕事は電話番のようなもので正直めちゃくちゃ楽だしヒマ(笑)。手取り22万円でも、もらいすぎだなと思うくらいの天国部署だったんです。  ただ、イベントができない状況が続きすぎて、このままだと会社が潰れるんじゃないか?という噂でもちきりに。仕事のできる若い社員や家族持ちからは退職者が続出しています」

家賃7万円の2DKは、不要不急の機材だらけ!

[貯金0円家族]の危機

機材を売ることを提案してみたが、頑なに拒否。「僕から趣味もなくなったら屍ですよ」。命がけの趣味とは一体……

 森本さんは気楽な独身のため、「趣味の時間が増える」と、当初はむしろ休業を喜んでいた。 「若い頃はミュージシャンを目指していたこともあって、音楽にはかなりカネをかけてきたんです。ちょうどコロナ前に新しいバンドを組んだばかりだったので、ステイホーム中にはりきってキーボードを新調してしまった。その直後ですよ。今年はボーナスなし、給料も減額という通知が会社から来たのは……」 [貯金0円家族]の危機 仕事の先行きは不透明、バンドどころではない状況で貯金もゼロ。 「50歳を目前に、実家に帰ることも検討し始めました。転職しようにも同業は採用どころじゃない。この年から違う業界で働けるのか、死ぬほど不安です」  趣味に生きた自転車操業人生の終焉。あまりにもツラい。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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