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<純烈物語>焼き肉店の名物おかみと酒井一圭、そして純烈の熱く味わい深い物語<第59回>

八起女将さん

相模大野「焼肉八起」の名物おかみ、唐澤時子さん

<第59回>「焼肉八起」の名物おかみさんは骨折後に現れた酒井の変化を見抜いた

 相模大野駅は小田急線で新宿駅より快速急行に乗り6駅目。その間34分と、意外なほどに都心から近い。  北口を出て左に歩くと、そのまま大型複合施設の「ボーノ相模大野」へと続き、中央の通路を抜けてエレベーターを使い1階に降りたところで風景はガラリと変わる。道一本をはさみ左は大型総合施設、そして右は昔ながらの庶民的な街並みがかわいらしげに広がっている。  その位置から確認できるほどの大きさで、満面の笑みを浮かべたおばちゃんの看板が目に飛び込んでくる。そこが純烈ファンの間でも知られる「焼肉八起」だ。  結成当初から親のような気持ちで応援してきたおかみさんが切り盛りし、たまたま来たお客さんも一緒になって歌う「純烈コーナー」を設け、夜な夜な盛り上がっている。店内には酒井一圭をはじめとするメンバーが来店した時の写真や色紙が貼りまくられ、とても街の焼き肉店とは思えない。  さしずめ手作りの純烈ミュージアムという趣き。猛暑の某日、13時頃に訪ねると新型コロナウイルスの影響で始めたテイクアウトの弁当を店の前で売っており、30m離れたところにも「カンラカラカラ」という言い回しがピッタリな、威勢のいい笑い声が響いてきた。  見ると弁当だけでなく、子どもたちに駄菓子をあげている。小さい頃、こういうおばちゃんがやっている店に足しげく通っていたよなあなどと思いつつ、ご挨拶をさせていただく。  店内営業は16時半からのため中に客はいなかったが、入り口と窓を開け大型を含めた6台ものファンがフル稼働していた。掘りごたつ式の座敷に座り、改めて店内を見渡すと大黒摩季のパネルや膨大な量の落語の資料、志賀直哉全集などとともに、当連載を書籍化した『白と黒とハッピー~純烈物語』がありがたくも飾られている。  焼き肉を焼いた時にあがる煙によって天井はいい感じに燻されており、それだけで風情がある。1979年に開店以来、41年間に渡り刻まれてきた歴史と落語と純烈が同居する空間は、ここ以外で味わえない。  ファンの間でも「八起のおばちゃん」として親しまれる唐澤時子さん(以下、おかみさん)は74歳。第二次世界大戦からまだ間もない頃に「長野県の小さな町」で生を受けた。店の主人である5歳年上の章さんと結婚したのを機に上京。今は長男の章三さん夫婦も手伝い、家族的なぬくもりを求めて人々が集まる一方、今や“純烈の聖地の店”(クラウンレコードのツイートより)と呼ばれるまでになった。
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純烈結成前からの縁
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焼肉八起(やきにくやおき)
神奈川県相模原市南区相模大野6-19-25
http://www.yakiniku-yaoki.com/
AM11:30~PM4:30(AM9:00〜予約可テイクアウトのみ)
PM4:30~PM10:00
L.O.)PM9:30 ※日曜日はPM.9:30
休=月・火曜
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