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家畜の窃盗相次ぐ、SNSには外国語で「買わないか?」

 北関東エリアで豚や牛などの家畜が盗まれるという前代未聞の事件が多発している。「週刊文春」や「週刊新潮」「FRIDAY」などでは、外国人の犯行を示唆するように報じられた。事件を取材している大手紙社会部記者が説明する。 「当局もそういう見立てで捜査を進めているようです。フェイスブックにはベトナム系のコミュニティがあって、そこには確かに、豚を買わないか、牛を買わないか、などの書き込みがあります。あれが盗品なのではないかと言われています」(大手紙社会部記者)

北関東で家畜の窃盗相次ぐ、SNSには外国語で「買わないか?」

豚

※画像はイメージです(以下同)

 件のSNSの書き込みを見てみると、実際に子豚を売る、という投稿だけではなく、解体途中と思われる生々しい豚らしき写真が掲載されている。  牛や豚を盗んでも、個体識別番号などで管理されているため、正規ルートで市場に卸そうとすればそこで足がつく。だから身内で処理してしまおうという魂胆なのだろうか。ベトナムから語学留学生として来日し、現在は都内の大手IT系企業で働くグエンさん(仮名・30代)が言う。 「ベトナム人は、海に行っても川に行っても、漁をします。食べられるものは獲る。いまは特にコロナで困っているから、もしかしたら盗んでいる人もいるかもしれませんが……。ごく一部だと思います。ただ、SNSには上げないと思います。ベトナム人はSNS大好き、だから盗みのような犯罪自慢はしない」(グエンさん)  SNSの投稿はベトナム語で書かれているが、ベトナム人を装っている可能性もあるだろう。一方で、悪事に手を染めている同胞の存在、悪い同胞とつるむ外国人の存在については、残念ながら認めざるを得ないという。 「日本に語学留学に来ていた後輩たちは、ベトナムにも帰れない。帰っても仕事がない。日本にいても学校がなく、危ないことをやる人もいます。ただ、困っているのはベトナム人だけじゃないから、タイ、ミャンマー、フィリピン、中国人も同じ」(同)

コロナ禍で生活が困窮する外国人たち

和室 前出の記者によれば、コロナによって日本国内で行き場を失い、さらに母国への帰国も叶わないという外国人たちが行き詰まり、犯罪に手を出すケースが目立ち始めていると話す。 「語学留学生だけでなく、正規ルートで技能実習生としてやってきた外国人たちが、コロナ禍のどさくさに紛れて実習受け入れ先から逃げ出したり、カネ儲けのためにこっそり裏の仕事をしているそうです。SNSを使い、日本製品を母国に違法転売したり、日本国内に違法入国するためのブローカーになったりするケースもあるようです。家畜の盗難は、あまり組織的ではない連中による犯行かもしれません」(前出の大手紙社会部記者)  今はまだ、人を傷つけるような事態には至っていないが、コロナ禍による生活困窮状態が続けば、悲惨な事件が起こるとも限らない。  そして、「外国人が犯罪を起こしている」と決めつけ排斥を叫ぶより、共に生きていく方法を模索する方が、いくらか建設的ではないかと思うのだが、どうだろうか。<取材・文/森原ドンタコス>
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