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「バカでもカネさえかければ、東大に入れるのか?」現役東大生たちの見解

いくらカネがあっても埋められないもの

 東大受験に限らず、都市圏と田舎とで受験生のできることや得られる成果にある程度の差が出てきてしまうというのはよくある話だと思います。  実際、今回、話を聞かせてくれたK.Y.くんは九州南部の出身でしたが、「首都圏にいれば鉄緑会とかに通えてもっと楽に受験できたのになー」といつも歯がゆい思いをしていたそうです。 受験 また、五浪して理科三類に入った東大生の阿修羅さんは「試験場での緊張感やプレッシャーに打ち勝つための心の強さはお金で買うことはできない」と言っていました。これはまさにその通りだと僕は思います。 「課金」しても単純に東大に受かるわけではないという意見をいただききましたが、案外こういうところで明暗が分かれているのかもしれません。

「東大受験の課金ゲーム化」の本質とは?

 ここまで出てきたようにカネで買えるものは「情報」と「時間」、そして「中学入試の経験」でした。一方で買えないものは「親」と「地理的な環境」でした。教育に対してその真価を見極め、しっかり投資してくれる保護者の存在は大きいでしょう。まずこれは先立つ条件として挙げられると思います。  しかし、これだけが東大入試の本質ではありません。なぜならこれは、そもそも受験するのか否かという問題に関わるからです。東大受験が課金ゲームか否かを語るとき、「受験すること」は大前提です。  むしろ、僕は「中学入試の経験」に注目したいと思います。中学入試の経験は、親が教育熱心でなければそもそも中々ないことでしょうし、非常に金がかかります。さらにほとんどの受験を志す子供たちは塾に通うため、まさにこれこそが「課金ゲーム」なのです。  おカネで買えることである程度受験の成功率が変わると僕は信じていますが、その中心は「中学入試の経験」の有無にあると思っています。受験開始年齢の早期化で、昨今さらに入塾の平均年齢が下がっているといいます。  前回の記事の反響のなかには「カネ持ちのほうが受験に有利なのは昔から」という声もありました。これもその通りなのかもしれません。しかし、現役の大学生として受験に深くかかわる立場として「課金ゲーム化」は年々深刻になっていっているように感じています。  受験の「課金ゲーム化」に歯止めがかかることを期待してやみません。
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Twitterアカウント:@Temma_Fusegawa

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