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「バカでもカネさえかければ、東大に入れるのか?」現役東大生たちの見解

カネで買えないのは「親」と「地理的な環境」

 では、買えないものは何でしょうか。「カネで買えるもの」とは打って変わって、こちらは非常にシンプルな答えで一致しました。それは「親」と「地理的な環境」です。  まず、当然のことですが、親をカネで変えることはできません。中学入試から大学入試に至るまでのほとんどの場面で、カネを出すのは保護者です。「カネで買えるもの」のためのカネを出してくれるのも親ですが、「カネを出せる親」がイコール「受験生にとって理想的な親」ではありません授業 さまざまな家庭環境があると思いますが、受験を見据えて話をしたときには、まず最低限「親が我が子の勉強に対して肯定的であること」というのは外せない条件になってきます。だって「勉強すると親ににらまれる」なんて環境で落ち着いて勉強できませんよね?  親の同意が得られていない状態での受験はカネの問題だけではなく、家庭内での人間関係の悪化から、精神的な負担を受験生に強いる可能性があります。だからこそ、受験という話をするときには、生徒のみならず、その親もあり方を問われることになります。  逆にこれまで話を聞いてきた東大生たちの中で、親と非常に仲が悪い、もしくは親が教育に関して否定的な意見を持っているというような人はいませんでした。

地域による「教育機会の格差」はかなり深刻

 また、同じくして地理的な環境も変えられないでしょう。これは簡単にいえば「住んでいる地域」です。都市圏と田舎では、たとえ同じ金を払ったとしても、得られる結果が変わってくる場合があるのです。  僕は東京生まれ東京育ちでしたので、都心の本屋や大手塾の大規模校舎へすぐにアクセスすることができました。ですから、参考書を選ぶときにも躊躇することなく本屋に行って一冊ずつ本を手に取りながら選んだり、気安く予備校開催の模試や格安で行われる特別授業に申し込んだりすることができました。もちろん模試には多くの受験生が集っていました。  しかし、地方になると状況はまったく変わります。まず、地方の都心部でないと大手予備校の大規模校舎がないというのはザラで、しかもその学校によっては名物カリスマ講師が来てくれなかったりします。  なぜなら彼らは東京や大阪などの一部大都市圏にある予備校周りで非常に忙しくしているため、地方の学校にまで手が回らないのです。そもそも地方では「特別授業」なんて開催されないケースもあります。それに受験者数だって、都市部のほうがずっと多いです。
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いくらカネがあっても埋められないもの
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