複勝転がしの攻略法
ここからは実践的なポイントやコツを紹介していく。ついつい勝負に没頭すると、冷静さを失ってしまうことがあるが、複勝転がしをするときは、常に以下のポイントに気を付けて挑んでいただきたい。
①最低でも1000円スタート
馬券は最低100円から買えるが、複勝の場合、1.3倍などの低い配当もあるため、100円だけ買っても、130円にしかならず、転がすことができなくなる。
1000円なら、どんな配当でも10円単位の端数が出ることなく、的中金をそのまま転がすことができる。
②無理に全レースを買わない
複勝転がしの絶対条件としては、「当てる」こと。少しでも不安のあるレースでは、買わないで、
見送ることを徹底したい。3場開催なら、1日36レースもあるのだから、無理に目の前のレースを買う必要はないのだ。
③「当てたい」と思いすぎない
②と矛盾するようにも聞こえるが、「当てたい」という気持ちが強すぎると、予想に支障をきたす。結局、「当てたい」という欲求が強くなりすぎると、冷静さを失ってしまう。そうなると、1番人気の死角を見落としてしまったり、配当の高い2~3番人気の馬でも当てられたのに、そのチャンスを逃してしまったりと、負のスパイラルに陥ってしまう。
複勝転がしのデメリットとも言えるのが、この
連勝が続いた時の精神状態にある。連勝が続くにつれて、金額もどんどん大きくなり、心臓に悪い。そうなると、ハズれることが怖くなってくる。その末路として、1番人気の馬ばかり買ってしまい、勝負に出ることができなくなってしまう。野球で例えれば、盗塁するチャンスがあるのに、確実性のある送りバントばかりをしてしまうといったイメージだ。
転がし1戦目も、10回くらい転がって数万円になったとしても、常に同じ心構えで予想することがポイントだ。
「どうせハズれても、失うのは最初の1000円なりの少額だ」と、初心に戻り、楽観的なスタンスでいたい。
④目標を決めておく
これは実戦で筆者も失敗して気づいたので、最後に紹介しておきたい。複勝転がしにおいては、事前に目標を決めておくことだ。目標は、「~万円にしたい!」でもいいし、「10レース転がす!」、「1日頃がして楽しむ!」でも何でもいい。とにかく、引き際を決めておくことだ。
実際に、筆者が失敗したパターンを紹介しておくと、開催3日間において、転がし13連勝を達成した時だ。
13連勝したとき、元金は約12倍に。1000円スタートだとすると、12700円に転がっていた。転がってみて気づいたのだが、「終わりはいつだ?結局ハズれるまで買い続けるだけじゃないか?」という、今思えば当たり前の戸惑いだった。ハズれてしまえば、そこまで積み上げた利益も、全て水の泡だ。この悲劇を繰り返さないためにも、
事前に目標、終わりを決めておくことを推奨したい。
元「競馬エイト」トラックマン(栗東担当)。学生時代には中央、地方を全場渡り歩き、フランス、香港、ドバイまで駆け回っていた、根っからの現地観戦好き。『競馬伝道師』として週刊大衆やモンドTV「競馬バトルロイヤル」などでも活躍している。