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地方競馬へ移籍した元中央馬の取捨選択…プロが教える地方競馬予想のポイント

 前回、探訪記も書いた園田競馬場の馬券的な攻略法を今回は探っていく。スポットをあてるのは園田競馬場だが、中央競馬や、他の地方競馬の予想でも使えるデータや着眼点になるので、ぜひ参考にしていただきたい。

園田競馬場

3つの視点で地方競馬を予想する

 筆者が考える地方競馬の予想におけるポイントは、以下の3つだ。 ①ダートレースのみ  全国に15ある地方競馬場は、盛岡を除き、14場がダートのみのコースとなっている。そのためダートの予想法を極めることは必須だ。 ②中央からの移籍馬が多い  地方競馬では、中央で勝てなかったり、頭打ちになった馬が移籍してくることが多い。中央で芝を走っていた馬の取捨もポイントになってくる。 ③短距離戦が多い  中央競馬場と違って、小回りで短距離戦が多い。園田競馬場では、1日12レース中10レースが1400m戦ということもある。    以上の3つの視点から、馬券的な攻略法を探っていく。なお地方競馬のデータは集計が取れないので、中央の2019年1年間のダート戦を参考に分析していく。  

ダートは大型馬が有利

 大前提として、ダートは芝よりもパワーが必要だということを頭に入れておきたい。そのため、スピードよりもパワーに優れている馬が有利になる。パワータイプの馬かどうかは、馬体重で判断できる。   440kg以下 単勝回収率45% 複勝回収率54% 441kg以上 単勝回収率75% 複勝回収率75%    このように、馬体重で二分するだけで、成績に大きな開きが出る。馬体重にも関連しているが、牝馬よりも、パワー(馬格)に優れている牡馬も好成績だ。   牡 単勝回収率76% 複勝回収率78%(セン馬も含む) 牝 単勝回収率63% 複勝回収率64%    中央、地方問わず、ダート戦は、馬体重と性別に注目することが、回収率アップのための第一歩だ。  

ダート替わりの馬は、馬体重と枠順に注目!

 中央から地方に移籍する馬の中には、芝馬も含まれている。中央では芝を使われていたが、地方では仕方なくダートを走ることになるのだ。ダート適性があるかどうかは、筆者も血統、走法、馬体などからジャッジすることもできるが、もっとシンプルに誰でも真似できる予想法を紹介する。  まず注目すべきは馬体重だ。上記のデータのように、馬体重からダートに合うパワー型かどうか判断することができる。芝からダートに替わる場合は、さらに馬体重が重要なファクターになる。   <芝→ダート替わりの馬体重別成績> 440kg以下 単勝回収率24% 複勝回収率50% 441kg以上 単勝回収率81% 複勝回収率69%    440kg以下の小柄な馬は、芝からダートに替わった場合、さらに回収率は低迷する。この理由としては、「芝ではダメだったけど、ダートに替わって一変するのでは?」と期待する人が多すぎて、過剰人気になっているためだと推測できる。    次に参考にしたいのは枠順だ。芝を使っていた馬は、前の馬が蹴り上げる砂を被ることに慣れていないため、初めて砂を被ると、パニックになって力を出せないことがよくある。   <芝→ダート替わりの枠順別成績> 1~5枠 単勝回収率66% 複勝回収率62% 6~8枠 単勝回収率73% 複勝回収率69%    上記のデータのように、砂を被りにくい外めの枠の方が、内枠よりも回収率が優秀になる。芝→ダート替わりの馬は、ここで挙げた、441kg以上&牡馬(セン馬)&6~8枠、という3つの条件を満たせば、単勝回収率86%、複勝回収率84%と、高水準の回収率となる。
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実戦で学んだ危険パターンと好走パターン
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元「競馬エイト」トラックマン(栗東担当)。学生時代には中央、地方を全場渡り歩き、フランス、香港、ドバイまで駆け回っていた、根っからの現地観戦好き。『競馬伝道師』として週刊大衆やモンドTV「競馬バトルロイヤル」などでも活躍している。

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