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日本国債が暴落したら「買い」だ!

マネーな人々 今週の銭格言 【選者】政治経済学者 植草一秀氏 巨額の財政赤字を計上し続ける日本。高齢化社会を目前にするも、一向に進まない財政構造改革論議の混迷が日本国債暴落シナリオの信憑性を高めている。ギリシャのような政府債務危機は、本当に日本を襲うのだろうか。 ◆巨額の財政赤字と増税案の迷走が続いている日本の国債暴落は本当にあるか!?  ヘッジファンドが日本国債を売り浴びせるタイミングを虎視眈々と狙っているとの話をよく聞く。欧州の政府債務証券市場を波乱に陥れた投機マネーが、次は日本国債市場だと手ぐすねを引いて待ち構えているというのだ。  たしかに、日本の財政赤字は予算規模の半分近くに達し、累積された長期政府債務残高は約900兆円。GDP比180%は、米国の2倍以上の水準だ。  この状況下で、野田内閣が強力に推進する、「シロアリ退治なき消費増税」が議会でもし否決されれば、世界の投機資金が日本国債相場を売り崩すとの警告が流布されているというわけだ。  金融市場での証券価格は、理論値を大きく離れることがよくある。証券価格が理論だけで動くのでなく、直接的には需要と供給のバランスによって変動するからだ。  この意味で、日本国債相場暴落の可能性を否定することはできない。しかし、その暴落が理論的に導かれるのではなく、人為的な一種の相場操縦によって動かされるのなら、話は別。暴落での日本国債は逆に「買い」ということになる。 【後編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/170698 国債暴落よりインフレ誘導政策のほうが要注意! 植草一秀【植草一秀氏】 シンクタンク主席エコノミスト、大学教授などを経て、現在はスリーネーションズリサーチ㈱代表取締役。ブログ「植草一秀の『知られざる真実』」も人気。近著に『日本の再生』(青志社刊)
『日本の再生』

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