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「嫌なことからは逃げる」が、心にとって正しい/プロ奢ラレヤー×臨床心理士

人生はゲーム、大したことじゃない

プロ奢 傷つかない工夫も大事ですね。僕らの世代って「ゆとり世代」とか言われがちだけど、いい意味でゲーム脳なんじゃないかなー。たとえば大学辞めるのは怖いってなんとなくみんなが思ってるけど、別に大学っていつでも行き直せるし本質的には大して失うものもない。シミュレーションさえできれば、別にセーブポイントからやり直せる。だからゲームの中の人物に何言われても大して響かないっていうか……。 向後 面白いですね。その考え方ってこれから主流になるんじゃないかな。人生100年時代、今から70過ぎまで同じ仕事なんて嫌だなと思う人多いんじゃないかと思います。だからスパッと辞めることも大事になってくるけど、なかなかその踏ん切りがつかない人が多いわけで。でも人生をゲームと捉えたら、意外とリセットも容易になるのかもしれない。 プロ奢 そうっすね。そこまで人生を大したことに捉えないで済みますよ。 向後 ゲームが役に立ってるんだな~。 プロ奢 役立つかどうかはわかんないですけどね。まあ別に役立たなくてもいいじゃないっすか。

「『こうあるべき』という考え方が幸福度を下げていくんですよね」(向後氏)

夢を叶えることより「嫌なことをいかにやめるか」が大事

向後 今って「好きなことを突き詰めよう」「天職を見つけよう」「自己実現しよう」って『役に立つ』内容の本が多い。でもプロ奢さんの本には「嫌なことをやめよう」とだけ書いてある。役立つって感じの本じゃない。でも、それがユニークですね。 プロ奢 そのぶん夢ないですけどね。 向後 でも、Amazonのレビューはめちゃくちゃいいじゃないですか。じわじわ売れますよ、こういう本は。みんな本当はわかってるはず。夢を叶えましょう努力しましょうって言っても叶えられる人なんてほんの一握りだって。僕のところにもこうしたいああしたいって来る人は多いけど、必ず伝えるのは「後悔しないならやったらいい」ということ。「夢は必ず叶う」なんてのは嘘ですからね。 プロ奢 向後先生は、なんで石油会社を辞めてカウンセラーになったんすか? 向後 会社員に向いてなかったんですね。給料は良かったけど……未来が描けなかったし、このまま10年20年いることを考えてもワクワクできなかった。でも僕はプロ奢さんみたいにスパッとしてなくて、アメリカで心理学を学べるよって教えてもらったのが29か30の時で、結局そこから10年間どうしようかとウジウジしていたんです。周りにはなんで今やらないの?って言われていたのに。
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うつ病になる人は日米で違う
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本名、中島太一。23歳。「他人のカネで生きていく」をモットーにツイッターを介して出会ったさまざまな人に「奢られる」という活動をし、現在フォロワー約9.8万人。奢ってくれた人々との邂逅を綴った「奢ログ」を含む日々の考察を有料note「プロ奢ラレヤーのツイッターでは言えない話。」として配信中。著書『嫌なこと、全部やめても生きられる』(扶桑社刊)、『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略』(祥伝社)。
嫌なこと、全部やめても生きられる

「逃げたら負け」と思っている人々へ。"目からウロコの意識低すぎ実践哲学"

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