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国が紹介する日給8000円のゴミ拾い。路上から見上げる“正しい市民”への葛藤

貧乏人の味方、社会福祉協議会

 やっぱり貧乏仲間のみんなには、出来るだけ正道を歩いて欲しい。  僕が今まで金が無い時に相談して一番良かったのは「社会福祉協議会」だ。ここには最後の手段が大量に残されている。僕は東京都から20万円借りれたし、携帯代を3か月延命する手続きが出来ることも知った。  彼らは僕たちが「正しい市民であるか」の確認をする前に相談に乗ってくれるから、説教なんかもされない。大人しく話を聞いてもらい、限りなく適切に近いアンサーを返してくれる。僕はここにすごい信頼を置いているし、どうせタバコ税を払うなら全額社会福祉協議会に払いたい。  当座の金に困った時は職業安定所(職安)に行くといい。新宿や上野、横浜の近くにもあったはずだ。  僕が今働いているのはここで、名前と身分証さえあれば働かせてもらえる。仮に運悪く住所が無くても大丈夫だったはずだ。有名な場所だと、東京では「山谷」、大阪では「西成」にあたる。  金が無いと周りが見えなくなる。焦りで頭がいっぱいになって逆に動かなくなる。とりあえず何も思いつかないなら社会福祉協議会に相談しながら職安で数万円を稼げばいい。  職安には色んな人がいる。ホームレスの人もいるし、年金暮らしで間に合わない人もいる。前科がある人もいれば同じ境遇の人と知り合って仲良くなる人もいる。

朝から昼過ぎまで働いて8,000円

 職安でもらえるこの手の仕事は「特別就労対策事業」として、「都」が、「仕事が無い人」に向けて行なっている事業計画の一つだ。登録すると番号が振られ、頻度は自分の番号が回ってきた時だけなので一週間に1度か2度だが、朝から昼過ぎまで働くと約8,000円ほどもらえる。  バスに揺られ、例えば道路のゴミ拾いなんかをして、戻ってくると取っ払いで金がもらえる。月に4万弱とはいえ、当座の金を作るにはうってつけだ。背に腹は変えられないし、寝て待ったところで金は降ってこない。果報も来ないが。  僕はこの地域で仕事をするまで、こういうのは安く買い叩かれて時給200円で奴隷のように働くものかと思っていた。ネットを鵜呑みにして、 「ヤバい仕事は西成に行けばある」  という情報だけで向かったこともある。だけど実際には自治体が行なっている事業だから、たとえ安くても万が一に逮捕されたりするリスクはない。バイトの面接に10回連続で落ちた人でも大丈夫だ。  そこで出会った人たちに聞くと、昔は本当にヤバめの仕事も結構あったらしい。が、今ではドヤ街も整備され、街を軽く歩いて探せる仕事はここくらいだ。
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ゴミ拾いの仕事
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フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩

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