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国が紹介する日給8000円のゴミ拾い。路上から見上げる“正しい市民”への葛藤

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteで有名になったTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載は30回。  今回は、カネに困ったまま新年を迎えそうな人のためのお話です。
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「時間」「身体」「信用」の大事さを後から知る

 結局、何の犠牲もなく「無」から金を生み出すということはなくて、目に見えない形のものを売っている。時間であり、信用であり、リスクであり……。  例えば今の若い子で詐欺まがいの商売を手軽にやってる子は多いが、それだってある程度の逮捕「リスク」があるし、ある意味では自分を売っているのかもしれない。金を借りる行為は信用を売ることで、僕の場合、社会に対する信用はもう売り切れてしまって在庫がない。調べたところ、どうやら次の入荷は10年近く後らしい。  こうなってくると売れるものは「時間」と「身体」になってくる。労働の原点だ。誰がこの仕組みを最初に考えたのだろうか。金を生み出す装置を作った人がいて、そこに人をはめ込む人がいて、はめ込まれる人がいて、そういう風に世の中は回っている。  数年前、まだ働いていた時に副業でオレオレ詐欺の受け子(金の受け取り手)をして捕まった部下がいたが、そんな事をするタイプじゃなかった。最終的に何と天秤をかけたかはわからなかったが、「リスク」「信用」「身体」全部を売ってしまった。世間は、 「バカだな~」  と一蹴するだろうが、本当はもっと悪い人がいて、でもその人たちはもっと賢くて、捕まらないように「とりあえず金が必要な人間」の全てを買い取る。もちろん受け子自体は悪い。最悪だ。貧乏人の周りにはそんな賢い人が考えた悪い話が散らばっている。お腹を空かせた貧乏人は撒き餌に食いつき、サビキで釣り上げられる。  年末が近い。年の瀬はそういう「リスク」の転売屋が街の隅に増える時期だ。  貧乏人が信用されないのは、上記の理屈がかなり硬い糸で結ばれている事をみんなが知っているからだ。

相談するべきはどこか

 よく「金が無いんだけどどうしたらいい」と相談を受ける。携帯代が払えなかったり、家賃が払えなかったり、悪い仕事を紹介してほしかったり。  冷静になれない気持ちはよくわかる。誰も彼も「こんなはずじゃなかった」はずだ。  ちなみに僕は貧乏だからか、よく悪い仕事を知っていると思われがちだが、昨今流行りの「アンダーグラウンドに詳しい系」ではないのでここに書いておく。もちろん夜の仕事もしていたし、多少見たことくらいはあるが、別にその世界で何年もやってきたワケではないし、そもそも根はビビりでガリ勉のオタクだ。この身体一つ、人生一本の制限の中で見てきたものしかない。  貧困の果ての果て、最後に頼るべきなのはどこか。頼れる人がいないのなら、それは「国」だろう。彼らは時に仕事もくれる。こんな貧乏人にもクソみたいに高い税金を払わせてるんだ、そりゃそうだろう。
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国がくれる仕事も悪くない
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