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『NHK紅白歌合戦』珍事件簿。吉川晃司は出禁に!? AKB48、長渕剛も…

「全部歌えるのなら、『紅白』出ます!」

 最後は本番以外での見えない部分で起きていた事件で締めることにする。今年、13年ぶりに『紅白歌合戦』に出場することが発表されたシンガーソングライターのさだまさし。実は彼によって『紅白』のタブーが1つ破られていたことをご存知だろうか。  さだが『紅白』に初出場したのは’79年。あの大ヒット曲『関白宣言』を引っさげての出場だった。だが、このとき、出演するに当たってさだは番組サイドにこんな注文をだしていたのである。いわく「『関白宣言』、フルコーラスで歌えるのなら、出ます」。  というのも、当時の『紅白』の1人の持ち時間は2分半だった。これに対し、この曲はフルコーラスで約5分50秒と長い曲だった。だが、さだの曲は1番から最後まで短編小説のような作りになっている曲が多いため、途中でカットしたら、ワケが分からなくなるのである。事実、この2年前に『雨やどり』というヒット曲で出場を打診されたのだが、フルコーラス歌えないということで初の『紅白』出場を断っていたほどであった。

のちの『トイレの神様』に繋がった!

トイレの神様

画像:トイレの神様

 困ったスタッフはこの年、7年ぶりに『紅白』のステージに帰ってくる“女王”美空ひばりに相談。全歌詞を読んだひばりの「これは切れないわね」という鶴の一声でフルコーラスでの歌唱が実現したのであった。このときの心境をさだは「たとえ嫌われても誰かが(慣例を)破っておかないと永遠に2分半のままだと思った」と語っている。そしてこのときのさだの勇気ある行動が’10年の『紅白』における植村花菜の『トイレの神様』のノーカットフルバージョン歌唱へと繋がっていったのである。  新型コロナウイルスに見舞われた異例の状況下で行われる今年の『紅白歌合戦』。今回もハプニングが巻き起こるのか、それとも無事に終わるのか? 注目したい。<文/上杉純也>
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