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東大に合格して後悔した理由。バラ色の人生とは限らなかった

高学歴貧困の末路

※写真はイメージです

「東大なんて入らなきゃ良かった」東大卒ライターが見た“不都合な真実”

 小中学校で目覚ましい学業成績を修めた児童を前にすれば、周囲の大人たちは「東大に行けるかも!?」と色めき立つもの。だが、自身も東大卒の池田渓氏は、著書『東大なんか入らなきゃよかった』の中で、世間が持つ“東大信仰”に一石を投じている。 「実は東大生の優秀さはピンキリです。大学の授業もテストもハイレベルで、毎年、学生の2割が留年しているほど。一方で、遊んでばかりいるのにテストでは高得点を取るような天才が横にいるんですから、努力や要領で東大に入った人にはキツい環境です。彼らは東大入学を後悔していることも少なくないし、卒業後もバラ色の人生を歩んでいるとは限りません」  高校での成績優秀者がやみくもに東大を目指すのは、必ずしも正解とは言えないようなのだ。 「東大でビリよりも、早稲田や慶應でトップのほうが就職などで幸せになれるかもしれません。それに特定の学術研究分野においては、東大よりも成果を上げている大学だってありますからね」

別大学の医学部に入り直す東大生も

 そもそも当の東大生が、卒業後に他大学を受験するケースも一定数あるという話だから驚きだ。 「卒業後の進路が不本意だった場合、別大学の医学部に入り直す事例はよく見聞きします。医師免許を取れば一生食えますから、地方大学の医学部は、さながら東大生の人生再生工場といった状況です」  そうした立ち回りができなかった東大生に地道な取材を重ねたのが、池田氏の著書。うつ病になったメガバンク営業マン、月200時間の残業をこなす官僚、年収230万円の警備員など悲惨な東大OBが登場するが、いずれも世間が羨む東大生の姿とは言い難い。 「傾向として、東大に入れば人生がどうにかなるという、東大合格をゴールと考えている人はダメになりやすい。東大は選択肢が多すぎるので、入学後に主体的に動けない人はずるずる流されてしまいます。就活市場ではそのような人は『東大までの人』と呼ばれます。また、プライドの高さによって職場に馴染めない人、社会の理不尽に耐えられない人は東大出身者には多い気がします」  最高峰の学歴をもってしても、生きるのはかくも苦しい。 【池田 渓氏】 ’82年生まれ。東京大学農学部卒。同大学院農学生命科学研究科修士課程修了、同博士課程中退。共同事務所「スタジオ大四畳半」に在籍、書籍ライターとして活動中 <取材・文/沼澤典史(清談社) 写真/時事通信社>
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