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高学歴なのに低収入な人は転職も苦労する?「失敗を恐れる人は難しい」

 輝かしい未来を見据えて猛勉強。努力が実って難関大学に入学、卒業し“高学歴”という肩書を得たにもかかわらず低収入に陥っている人がいる。せっかくの才能を持っていても社会で活かせない人たち。今後ますます増えるかもしれない、「高学歴ワーキングプア」を社会はどう許容するのか?

一度外れたレールに戻れない日本型の学歴社会のつらさ

高学歴貧困の末路

※写真はイメージです

 エリートコースからこぼれ落ちた、高学歴ワーキングプア。経済学者の塩沢由典氏は、彼らの増加の背景に、日本的経営の崩壊が関わっていると指摘する。 「’80年代までの日本経済は、欧米を後追いして改善していく“模倣型経済”にすぎませんでした。この間、創造的な人材を発掘して活躍させる仕組みをつくらないまま、偏差値が高い大学を卒業していれば、年功序列で出世できる時代が長く続きました。この体制が崩れて日本経済は30年も低迷しています。難関大学出身といったブランドでものを考える時代ではないのです」  バブル崩壊以降の低成長にあえぐ日本経済に風穴を開けるのは、0から1を生み出す創造力だ。しかし日本にはそうした人材を活用する土壌がないと、塩沢氏は嘆く。 「知識経済といわれる時代に深く創造的に考えられる人間を輩出できないのは大問題ですよ。中小企業でも、本来、100人に1人が創造力を発揮すればビジネスを大きく飛躍させることができます。高学歴者が就職を希望しているなら、きちんと見極めて採用できる絶好のチャンスです」  大企業の動きが遅いなら、そこからこぼれ落ちた高学歴人材を、中小企業が積極的にキャッチすることが日本経済に資するわけだ。

扱いづらい高学歴者のタイプ

 とはいえ、高学歴者の中には扱いづらいタイプも当然交じる。人材・組織コンサルタントの相原孝夫氏はこう指摘する。 「高学歴の人は学習能力が高いので作業を覚えるスピードは速いが、それは仕事のごく一部。インプットができてもアウトプットが苦手な人は少なくないです。  特に完璧主義の高学歴者は、自分だけのハードルを目指して仕事が遅くなり、周りとの軋轢を生むことも。チームワークが苦手な点も、出世コースを外れる高学歴者の特徴です。社会では偏差値よりもそうした協調性のほうが重要になります」  そのため、中高年の転職市場では、学歴よりも職歴や役職といった過去の実績が重視されるというが……。 「高学歴者のなかには失敗を恐れてチャレンジしない保守的な人も多いが、転職求人企業側には、失敗や挫折から学んで成長する体育会系の人材を好む風潮があります。ただし、そういうものがない高学歴者の場合は、財務や経理、法務などの専門知識がないと転職は難しいと思います」
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高学歴・低収入者が後悔していること
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