輝かしい未来を見据えて猛勉強。努力が実って難関大学に入学、卒業し“高学歴”という肩書を得たにもかかわらず年収300万円という低収入に陥っている人がいる。彼らはなぜエリート街道から外れてしまったのか。高学歴で年収300万円以下の100人にアンケートを実施。その結果から低収入の理由と背景に迫る!

高学歴なのになぜ低収入になったのか?(※写真はイメージです)
高学歴・低収入者100人アンケートで見えてきたリアル
多くの企業が採用時に「学歴に関係なく優秀な人材を採用」と謳いながらも、出身大学がいまだ大きな意味を持つのは歴然たる事実。転職活動においては職歴が注目されるが、これもまた、いかに新卒時に名のある企業に採用されるかが重要といえば学歴の価値は不動だろう。
実際、社員による企業評価を掲載しているサイト「
OpenWork」の調査によれば、高偏差値大学出身者の平均年収は明らかに高い。
厚労省統計による大卒・大学院卒30歳の平均年収が321万円ということを考えれば、高学歴は勝ち組への近道に違いない。
<出身大学別年収ランキング>
※30歳時の年収
1位 東京大学 810.9万円
2位 一橋大学 739.6万円
3位 京都大学 727.6万円
4位 慶應義塾大学 726.6万円
5位 東京工業大学 708.2万円
(2019 OpenWork調べ)
【出身大学別年収ランキング】⇒
30位までのランキング結果
その一方で、プラチナチケットを手にしても貧困にあえぐ人々がいる。彼らはいかにして高収入のレールから外れていったのか。その実態を探るため、取材班は受験当時偏差値65以上の難関国公立大および私大を卒業した35~49歳、かつ年収が300万円以下の100人にアンケートを実施した。
<高学歴・低収入者100人アンケート>
※35~49歳で偏差値65以上の大学を卒業し、年収300万円以下の人を対象に調査を実施
Q1.低収入になった理由は?
▼失業・求職中 19人
▼転職を繰り返した 16人
▼景気・時世の変化 13人
▼病気をした 13人
▼将来の夢(資格など)を目指した 8人
▼大学院進学 4人
▼その他 27人
※現在求職中という人がいるなかで、職場とのミスマッチで転職を繰り返した人も多い
結果をみると、失業や転職(35人)を低収入の理由に挙げる人が多く、新卒入社した組織にフィットできなかった様子がQ1に見て取れる。36歳の男性は「何を仕事にすべきかよく見つめればよかった」と過去の自分に後悔しきりのコメントだ。
また、病気をした(13人)という人も多い。「勉強よりも十分に働ける体力をつけ直したい」(37歳・男性)、「勉強ばかりしていてメンタルが弱く社会に適合できなかった」(42歳・男性)と、苛烈な受験勉強期間の代償が尾を引いていることも窺える。