お金

Wi-Fiにも魂が宿る?調子が悪くなったときに対処した結果

さすらいの民になる

 翌日。  一晩おいて再び繋ぎ直してみると、これが全く反応しない。今までは非常に弱い回線だったのが、うんともすんとも言わなくなってしまった。 「ゲンキンな奴、必要になってから慌てたって遅いんだから。」  Wi-Fiの声が聞こえた気がした。 「ごめんね、ありがとう、ごめんね」  物言わなくなったルーターに遅すぎる懺悔と感謝を繰り返す。花にありがとうと声をかけると綺麗に咲く、という噂が一時期流行ったが、枯れた花が咲くことはない。  気持ちを引きずったまま家を出る。今日から僕はセブンイレブンとパチンコ屋の無料Wi-Fiを拾って生活する流浪の民になる。奥田民生の「さすらい」が頭にリピートした。さすらうのも悪くない。

もはやモノでもないモノの声

 督促状でギチギチに詰まったポストの一番上にソフトバンクからの手紙が入っていた。 「2020年9月10月未納のお知らせ」  Wi-Fiの名前は、ソフトバンク光だった。  なんだ、結局金か。  この後に知ったのだが、ネット回線の未納を支払うと自動で数時間後に復旧するので、NTTなどに電話して催促してもしなくても復旧までの時間は変わらないが、業者が回線自体を弱くすることはできないらしい。僕のWi-Fiはその身をかけて伝えていたのかもしれない。引き落としが間に合っていないですよ、と。  この原稿は900文字を越えたところから全部セブンイレブンで書きました。また、どこかで……。〈文/犬〉
フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩
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