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パチンコ業界のモラルが問われる禁じ手が横行…ミリオンゴッド撤去拒否&沖ドキ再導入の裏側

ミリオンゴッドと沖ドキの撤去拒否という“禁じ手”

 こうしたホール団体の指針に従い目立たず粛々と営業を続けるホールが多いなかで、それでも足並みを乱すホールは少なくない。ネオン、看板照明を20時以降も消灯しないくらいならまだしも、それをやってしまうんだ……とパチンコ業界関係者が呆れる“禁じ手”を行うホールも一部には存在する。それが昨年11月に撤去されていたはずの「ミリオンゴッド-神々の凱旋-(以下、「凱旋」)」、また1月に撤去されるべき「沖ドキ!」の存在だ。どちらの機種についても撤去の方針はパチンコ・パチスロ産業21世紀会という業界団体の横断的組織で決議されたもの。
ミリオンゴッド凱旋

業界団体の決議によって撤去されることになっていた「ミリオンゴッド神々の凱旋」だが、撤去を拒否して営業を続けるホールも……。客足が減ったことで背に腹はかえられないということか……。写真は撤去作業中の「ミリオンゴッド神々の凱旋」

 しかし昨年5月の規則改正によって旧規則下の機種の経過措置が、コロナ禍での入替を減らすのが目的で3年から4年と延長されたことで、本来ならまだホールに設置しても違法ではないが、それでも業界全体で決まったことだからとほとんどのホールが撤去するなか、首都圏を中心に展開している大手ホールが決議を無視して「凱旋」を撤去しないという方針を打ち出したのである。  当然、近隣のホールからは非難が噴出、業界団体も問題視しているが、違法ではない以上はどうしようもできないのが現実。行政側としても手を出せず、当該チェーンはライバル店からはなくなってしまった「ホールにとっての貯金箱」といわれる機種を使って堂々と営業を続けている。

業界団体の決議と法律的な問題は別

 メーカー団体としては新台を売らない、また販社団体としては中古機を流通させないというペナルティとしての対応を行っているが、完全にそれらをストップさせるのは独禁法のからみもあり難しいのが現実。当該ホールはもともとアウトロー的な営業を行わないことでも業界内で有名だっただけに、どうしてこんな禁じ手を使ったのか……。事情を詳しい関係者に聞くと、「昨年の緊急事態宣伝で休業しなかったホールに対し、業界はなんのペナルティも課さなかった」というのが言い分とのこと。  そしてこの「凱旋」の非撤去に触発されたのか、「凱旋」と同様に扱われるべき「沖ドキ!」についても北関東や中部地方のホールで撤去をしなかったり、なかには再設置するホールが少なからず確認されている。
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