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パチンコ業界のモラルが問われる禁じ手が横行…ミリオンゴッド撤去拒否&沖ドキ再導入の裏側

緊急事態宣言でもホールは平常営業

 緊急事態宣言が出されてから約1か月。昨年4月の宣言時とは異なり、ホールに対しては休業要請は出されていない。ほとんどのホールが加盟しているホール団体も「本呼びかけは、法令に基づく要請ではありませんが、政府からの呼びかけであり、社会の一員として、真摯に耳を傾けていただき、各社、誠意ある対応をお願いいたします」と対応は各ホールの判断次第とし、実際に休業としているホールは、筆者が確認できる範囲では1軒もない。これはホールに限らず他の商業施設も同様であり、補償のない呼びかけである以上、この流れは当然の帰結か。  宣言では20時以降の外出自粛も呼びかけられているが、これについては施設によって対応が分かれている。日常生活に欠かせない施設は今まで通りの営業時間としているが、娯楽を含め「不要不急」ではない施設については閉店時間を早めている。ホールがどちらに該当するかはあえて論じないが、少なくともホール団体ではそのような対応も求めず、ほぼ全てのホールが平常営業としているのが現状である。
ファン感謝デー

以前のような射幸心を煽る過激なイベントができなくなってしまったホールにとって、公認された唯一のイベントであるファン感謝デーは集客に繋がる貴重なイベントだが……(写真と本文は関係ありません)

新台入替とファン感謝デーを乱発する事情

 それでも最初の宣言時の苦い記憶。それは休業要請に応じず営業を継続した極めて一部のホールが大手メディアからネガティブに報じられたことで起きた世間からのバッシングだ。その“トラウマ”からなのか、外出自粛要請が出されている20時からは、「保安上必要な場合を除き」としたうえで「ネオン、看板照明の消灯」をホール団体側は各ホールにも求めている。これは営業しているのを目立たないようにしたいという考えがあるが故と思われるのだが……。  思えば震災による東電の原発事故によって電力不足が叫ばれていた時、当時の東京都知事の「パチンコやめちまえ」といった発言から巻き起こった大々的なパチンコ業界へのバッシングは、業界に対する規制の発端にもなってしまった。後にパチスロ6号機といった射幸性を極端に抑制された新規則機もギャンブル依存症への批判からであり、社会的な問題がクローズアップされるたびに世論に敏感な行政からは規制という伝家の宝刀が下されるもの。震災後にはまず広告宣伝規制が行われたが、この影響によって集客努力が限られてしまったことで、ファン人口は1000万人の大台を下回ったともいわれている。  ホール独自のイベントなどが禁止されたことで需要が高まったのが、新台入替とホール団体によるファン感謝デーだ。新台入替は玉やメダルが出るのかどうかわからない不確定なものではなく、ちゃんと新しい台を入れましたよという事実だから、告知しても問題ないというのが行政側の見解であり、これ以降は中古でもなんでもとりあえず新台を入れて告知するという方法が一般化。またファン感謝デーは出玉のアピールではないことに加え、長く続いている慣習としてホール団体側が行政からのOKをもらって継続されている。しかしながら曲解して、ちょっとポスターを貼っただけでも装飾を変更しているのは事実だからと「リニューアル」が謳われるようにもなったりしているのだが……。
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公認のイベントも……
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ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。

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