お金

月1万円のつみたてNISAで老後資金はいくらに? シミュレート&実践してみた

まずはスタートすることをお勧めする

 利回りは当然リスクに関わってくる。堅実に3%を狙うか、バランスで5%を選ぶか、リスキーに7%以上を狙うかは個人の自由。あくまで元本が保証されていないことを理解していればいい。とはいえ、個人が欲望に任せてFXや信用取引にチャレンジすると、元本割れどころかすべて吹き飛ばして借金を背負うこともよくあること。投資はプロに任せた方が安心だ。  つみたてNISAは毎月100円から投資できるので、まずはスタートすることをお勧めする。もちろん、このままだとリターンが期待できないが、意識が変われば頑張って1万円いこうかな、となっていく。何かトラブルがあってどうしてもお金が必要になった場合は、解約することも可能だ。  そんなにスゴイなら毎月10万円投入して、リスキーな7%の投信で回せば、20年後には2400万円プラス2890万円が返ってくるではないか、というのもそうはいかない。国は金持ちを儲けさせるためではなく、一般の人に老後資金を確保して欲しいわけで、毎年積み立てられる限界が決まっている。このラインが年間40万円。つまり、毎月3万3333円まで積み立てられるというわけだ。  では、この上限金額で、堅実な3%利回りを狙う場合はどうなるだろうか。積立総額は1092万2018円、利益は292万2018円となる。非課税で得したのはなんと60万円近くなる。  実は、つみたてNISAで本当にスゴイのは「時間」。20年間黙って同じ積み立てを行うという行為そのものが大きな効果に繋がる。そのための動機付けとして、非課税や利回りがあると考えればいいだろう。兎にも角にも動き出さなければ始まらないのだ。  さて、実際に投資してみることにする。筆者は昔株式投資をするのに使っていたSBI証券を利用した。投資先の投資信託は自己責任でじっくり選ぼう。運用を委託する会社や運用方針をチェックし、過去の実績を確認する。
つみたてNISA

口座を持っていたSBI証券でつみたてNISAに投資してみる

筆者が選択した商品は?

 投資先は一つでもいいし、複数でもいい。ある程度は堅実なものに投資し、一部をリスキーな銘柄にして楽しみを増やすのもありだろう。筆者はつみたてNISAの対象銘柄で検索し、販売金額ランキングの上位をチェックした。  結局、トップ1と2の「米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(円換算ベース)に連動する投資成果目指す」という「SBI・バンガード・S&P500」と、「日本を含む先進国ならびに新興国の株式に投資し、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざす」という「オール・カントリー」を選んだ。両方とも信託報酬が1%前後とリーズナブルなのもポイントだった。金額は「SBI・バンガード・S&P500」が2万円、「オール・カントリー」が1万3333円とした。
つみたてNISA

2つの投資信託に上限の3万3333円を投資することにした

 最後に、利用している銀行口座から必要な分だけ毎月引き落とされるようにしておき、準備は完了。後は、20年放置するだけだ。  貯金なんか自分には縁がないと考えている人は、ぜひ口座を開いて、少額でもいいからスタートしてみることをお勧めする。そうすれば、せっかくの積み立て枠を使わないと持ったないと考えるようになり、自然にお金を回すようになるかもしれない。結局自分の人生は自分でなんとかするしかないので、不安を感じたら無視せずに、小さくてもいいから動いてみよう。 <文/柳谷智宣>
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ