お金

月1万円のつみたてNISAで老後資金はいくらに? シミュレート&実践してみた

20%の税金が非課税になる意味

つみたてNISA

写真はイメージです

 フリーライターである筆者は、老後に3000万円必要とか、老後破産は悲惨だ、とかいう記事を見る度に目を背けてきた。元々、宵越しの銭は持たないというノリで、いいお酒を飲みに東奔西走しているので仕方がない。  とは言え、50歳も近くなり、体がガタガタになってくると、ちょっと家族の将来とかも考えるようになる。こんなんだったら、もっと若い頃から貯金しておけばよかった、と考えても後の祭り。今からでも始めておくか、と重い腰を上げることにした。  フリーランスは頑張った分、稼ぎが増える。そのため、金が必要になれば仕事をたくさん受ければいいだけ、という感覚があり、堅実に貯金する気になれなかった。とは言え、リスキーな投資は長くは続かない。しかし、金利がゼロはちょっとやる気が失せる…と行ったり来たり。そこでぴったりな投資先を見つけたので、チャレンジしてみることにした。 「つみたてNISA」だ。通常、株式投資をして儲けたお金には約20%の税金がかかってくる。これは、とても不利な条件だ。しかし、「NISA口座」であれば、色々な制限はあるが、利益に対して非課税となる。  税金が欲しいはずの国が、なぜこのような優遇制度を認めたのか。筆者には今後公的年金制度が弱くなるので、ある程度は自分で対応してね、と言っているように見える。今後も少子高齢化は進むからだ。
つみたてNISA

金融庁が公開しているつみたてNISAのウェブページ

銀行貯金と比べると差は明らか

 それであれば、優遇措置は受けておかなければ損だ。つみたてNISAはさらに買付と売却の手数料もゼロ。これもお得だ。そこで気になるのは儲かるかどうか、だろう。  つみたてNISAは毎月決まった金額を銀行から積み立てし、投資信託に投資をしていく。利用者から見れば、貯金している感覚に近い。しかし、そのお金を運用するのは銀行ではない。投資信託とは、投資家から集めたお金をまとめて運用して、利益を分配する金融商品のこと。投資なので負ける可能性がある。つまり、元本が保証されているわけではない。  とはいえ、堅実な投資先を選んでいる投資信託であれば、リターンが出る可能性は高いし、実績も出している。確かに利益率は思ったより大きくないかもしれないが、銀行の利率と比べれば格段にましだ。  例えば、銀行利率は大手銀行だとほぼゼロ。ネットバンクだと0.2%くらいのところもある。そこで、毎月1万円を20年間積み立ててみよう。20年後には244万8050円となり、そこから前述の税金が取られるので、利益はなんと3万8300円ほど! 膝から崩れ落ちるくらい、意味がない。  しかし、利回り5%の投資信託に投資した場合、金融庁の資産運用シミュレーションで計算すると、最終積み立て金額は409万4549円。170万円近い利益が出る。実際には、毎年0.1%前後の信託報酬が引かれるが、それでもスゴイ。
積立シミュレーション

利回り5%と非課税だと随分儲かる感じがする(画面はSBI証券のシミュレーションより)

次のページ
まずはスタートすることをお勧めする
1
2
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ