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第2の三鷹駅問題はどこで起きる?東京全土に“禁酒法”発令

緊急事態宣言をスルー。朝まで営業する店舗も

まん防実施中の赤羽では、飲み屋が21時すぎどころか朝4時まで営業中!?付近には同様の店が2つあり、どこも行列ができていた

 緊急事態宣言の発出直前、記者は「千べろ」の街・赤羽に向かった。この飲んべえの聖地も、すぐ北には東京都北区と埼玉県川口市の境界線が横たわる。時短営業で閉店するはずの午後8時を過ぎていたが、「少なくとも4店はやってます!」(キャッチ)という。  夜9時を回っているのに行列ができていた居酒屋の店員(20代)は、元気よくこう答えた。 「まん防にも、次の緊急事態にも負けず、朝4時まで頑張ります!宣言が出ると“埼玉都民”のお客さんは地元で飲むとかいうけど、ウチが遅くまでやっているのを知っている人は知っているので、たぶんお客さんは増えると思いますね。あ、お一人様ですか? ごめんなさい! 2人以上じゃないと、この時間は案内できません」 「禁酒法」が発令されたら、東京の飲み屋街はどうなるのだろうか。
禁酒法

赤羽駅と荒川で県境を跨いだ川口駅との間はわずか2.6kmとほど近い。赤羽で飲んで、タクシーで自宅に帰る酔客も多いという

国民が我慢を強いられる現状

 緊急事態法制に精通し、飲食店を狙い撃ちした時短命令は違法として東京都を訴えたグローバルダイニングの代理人を務める金塚彩乃弁護士は、緊急事態宣言に盛り込まれた「禁酒法」を批判する。 「まず問題なのは、新型インフル特措法の何条に基づいているのか、法的根拠が曖昧なこと。本来は権限を行使する行政の側がきちんと説明すべきなのに、受け手の我々が根拠を探しているありさま……。  2つ目の問題は、酒類の提供の禁止は法律に定められておらず、政令が省令に委ねられ、国会の承認なしに政府の主観的判断で発動できてしまう点。  さらに言えば、飲酒が感染拡大の原因なのか、検証もエビデンスもないまま、なんとなく悪そうなところを締めつけていく……科学的思考ではなく空気によって、自由や権利が侵害され、国民だけが我慢を強いられる」
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「禁酒法」には法的根拠も歯止めもない!
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