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<純烈物語>ラウンドなしのなかで、小田井涼平は「本来の歌手の姿」を取り戻す<第96回>

夫婦で芸能人という宿命

 LiLiCoが出演する『ウェイトレス』は3月9日~30日の東京・日生劇場公演後、この大江戸温泉ライブの前日に福岡・博多座を経て15日より大阪・梅田芸術劇場、そして夫に続いて名古屋・御園座が待っていた。その最中、小田井がコロナに感染したら今度は妻の仕事を止めてしまい、舞台にかかわる人々へ迷惑をかけてしまう。  ミュージカルに出演するのは、LiLiCoにとって子どもの頃からの夢だった。それがようやくかなったのだ。その喜びは、夫として共有できるものであるはず。  有観客が再開し、感染者を出すことなく続いているからといって1ミリたりとも気が抜けない。それが夫婦揃って芸能界で生きる2人の宿命なのだ。 「グループの中に関してはいくらでも責任を取ることはできても、それが外まで出てしまうと……ただ、だからといってそれを理由に純烈の活動を止めることはしたくないんです。一人でやっていることなら自分で決めて、自分で責任を取れるけどグループとしてやっているわけやから。メンバーがいて、事務所がある中で決まったことをやっていくんで、その中に個人の事情が入る形では僕自身もやってほしくないし。  やるんだったら、やるなりに気をつけることを前提にやる。だから今日、撮影会やることも言いました。彼女は『この状況でやるの!?』と驚いていましたけど、そのための対策をちゃんと施したうえだから、という説明もして。たとえば公演中は別々に住んだ方がいいのかもという話も出ました。今のところ別居はしていないですけど、それが必要になってきたらそこまで考えないといかんのですわ」  慎重にならなければならない、されどやるからにはコロナで沈みがちな気持ちを開放させて、お客さんに楽しんでもらいたい。ここでも小田井は葛藤と向き合っている。

会見の最後に「ホント、どうでもいいわ!」

 そんな姿勢で大江戸温泉ライブに臨んだ小田井が、会見の最後に「ちょ、ちょっと! あのー、どうでもいいことなんですけど……」と前置きしたうえで食い込んできた。話題は前日に日本人初のマスターズトーナメント優勝を遂げたプロゴルファー・松山英樹について。その偉業に対するコメントを、リーダーが振られたところだった。 「女子プロゴルファーの方で、ジャンボ尾崎さんのお弟子さんでメチャクチャ飛ばす方がいるじゃないですか。原(英莉花)さんだったかな。あの人……三山ひろしさんにメッチャ似ているんですよ」  白川による「ホント、どうでもいいわ!」というツッコミが、公開会見の締めとなった。 撮影/ヤナガワゴーッ!
(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売

純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。

白と黒とハッピー~純烈物語

なぜ純烈は復活できたのか?波乱万丈、結成から2度目の紅白まで。今こそ明かされる「純烈物語」。
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