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ステイホームで認知症に!?コミュ力不足、デジタル依存症で知らぬ間に加速

“脳疲労”放置で、将来アルツハイマー病発症!?

ステイホーム認知症 このような現象が起きる要因について、精神科医で作家の樺沢紫苑氏は次のように分析する。 「20~50代の比較的若い世代に発生しているのは、コロナ疲れによる“脳疲労”。自粛生活が続き、脳は常に緊張状態にある。脳内では、ストレスを感じると危険を察知する『扁桃体』という部分が働き、副腎皮質から交感神経を活発化させる『ノルアドレナリン』という神経伝達物質が放出されます。  ただ、扁桃体の働きはせいぜい30分~1時間程度。何日も扁桃体のスイッチが入りっぱなしになるとノルアドレナリンが枯渇し、物忘れや集中力の低下、注意欠陥を引き起こすのです」  さらに樺沢氏は、対面コミュニケーションの減少でSNSやゲームなどのデジタル依存が強まったことについて、こう指摘する。 「視覚は脳の80%ほどの領域を使っています。スマホのチカチカした光は脳を興奮させ、緊張状態が続く。その結果“脳疲労”につながります。さらに、何でもスマホで検索することが、自分で考え記憶するといった脳の機能を退化させます。デジタル依存の若年層は、20~30年後にアルツハイマー型認知症を発症する可能性を高めていると言ってもいいでしょう」

ICTの多用が「脳の老化につながる」

 現在、対面コミュニケーションの代替手段としてZoomなどのICT(情報通信技術)の活用が一般的になりつつある。このICTの多用が「脳の老化につながる」と警鐘を鳴らすのは、任天堂DSゲームソフト『脳を鍛える大人のDSトレーニング』の開発者でもある、脳科学者の川島隆太氏だ。 「ICTを活用している時は『脳があまり働いていない』というデータが出ています。リアルに会っている時は脳の活動は活発になりますが、視線が合わないZoomは顔が認識できないし、ものすごく不自然なコミュニケーション。Zoom飲み会やリモートワークは、脳にとってはネガティブな作業です」  このままステイホームが続き、デジタルに頼りすぎていると、脳にどんな弊害が起こるのだろうか。 「脳全体をつなぐ神経線維の集まりである『白質』が老化することで、『自尊心が低くなる』『不安・抑うつ傾向が高くなる』『共感性が低くなる』といった症状につながります。このままの生活スタイルが定着すれば、脳の衰えを加速させる恐れがあります」(川島氏)
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体内時計のズレも“脳疲労”の原因
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