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借金500万円男。届いたDMに誘われてタクシー代3万円を手にする

向かった先は…

 直接住所を入力してもらい、 「すいません急ぎなんで一番早いルートでお願いします。」  と言う。到着してみるとそこはどう見てもガールズバーだった。  しまった、と思う。    一旦踵を返してコンビニでウコンドリンクを買った。  備えあれば憂いなし。お前あれば嘔吐なし。

なみなみと注がれるテキーラ

「一番奥の席にいるのが私です」  女の子のお店に僕を呼ぶ場合、僕はあくまで「いつでも呼べるちょっと有名なヤツ」として消費される。何度も何度も繰り返し話して少しずつ洗練されてきた借金エピソードトークを思い出リストから引っ張り出す。  出し入れしすぎて擦り切れた思い出は、何度も話しているうちにオチ部分を少しずつ嘘で着色しすぎたせいで、本当の形を忘れてしまった。  相手はすでに酔っ払っている。女の子たちは僕を見るや、酒瓶を手に取る。 「ウェルカムテキーラ!」  グーで肺のあたりを叩く。第六感調査兵団の成果は何もなかった。心のピエロが顔を出す。 「肝臓を捧げよ」
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渡されたタクシー代は……
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