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借金500万円男。マンションの契約更新を断りホームレスになる

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteが人気を博したTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載は51回目を迎えました。  今回は、住んでいたお部屋を追い出されたお話です。

更新料を支払うことは間違っているのではないか?

アパート

写真はイメージです(以下同)

 かつて地球人類は信じていた。太陽が地球の周りを回っている、と。  かつて地球人類は疑った。もしかして回っているのは地球の方なのではないか?と。  常識を疑うことで科学は発展してきた。科学だけではない。言葉や貨幣文化、食物だって最初はすべてが未知のものだ。人がよりよい進化を、生活を手に入れるための貪欲な好奇心はいつだって人の世を前へ前へと推し進めてきた。  僕は金がなかった。目の前には賃貸の更新料についての契約書が入った封筒がある。漠然と社会からハミ出た罪を濯ぐため、何にも気がつかないフリをしながら生きていた。  啓示というものは突然訪れる。大して信仰もしていない神からの強引なお告げ。いつもは誘惑に負けてパチンコへと連れ去るくだらない偽物の神の言葉が、貧乏人の渇いた心の財布に突き刺さる。  この言葉だけは信じてもいいかもしれない。 「常識を疑え」  もう2年このマンションに住むために更新料を払うのは、もしかしたら間違っているのではないか?  そもそも、この部屋を借りる時に僕は管理会社に30万円近く払っている。当時は会社に勤めていた上にカジノで勝った金があったから全く気にせずに払っていたが、借金を抱えた今となっては大金だ。

東京は冷たい……のか?

 こちらにも事情がある。仕事が見つからずに家賃を払えなかった月がポロポロと出始め、当然管理会社も、僕の財政状況は滞った支払い履歴からも見て取れるだろうから、更新料を請求すること自体が酷な話だ。ただでさえ毎月の7万円を工面するのに精一杯な人間から、さらに7万円を請求する。 「東京は冷たい」  と言われる所以は、こういった血の通っていない仕打ちにある。  更新料は東京にしかない文化らしい。関西の人が言っていた。知れば知るほど許せなくなってくる。僕や、これからのすべての人たちが 「更新料払うのがバカバカしいからこんな部屋出て行きますわ」  と部屋を次々に出ていくことで、不動産を持つすべての人々が、更新料というシステムのせいで家賃収入が途切れることに気づき、いつか世界は変わるかもしれない。  そう考えると、更新をせずに部屋を出て行くことが、ある種の抗議運動に思えてくる。金がないから更新をしないのではない。更新料が許せないから部屋を出て行くのだ。  革命の一歩目となる足跡は、いつの世も一人分だ。ここから僕が世間の、みんなの常識を変える。
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毅然とした態度で更新を拒否
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