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今さら聞けない仮想通貨「DeFi投資」って何? プロの投資家が解説

DeFi最大のリスクは「ラグプル」と「バグ」

 ただし、当然ながらおいしい話にはリスクがつきものだ。 「DeFiで注意すべきことは『ラグプル』と『バグ』の2点です。ラグプルとは仮想通貨取引所やDeFiの開発者が顧客の資産を持ち逃げすることです。  そしてバグとは、取引所のシステムやDeFiのプログラムで見つけられる弱点を指します。バグが見つかれば、悪意あるハッカーに資産を抜き取られるリスクがあるのです」  従来の取引所や銀行なら資金流出があった際に管理者責任を問うことができる。しかし、DeFiはそういった管理者がいないユーザー主体のプラットフォームなので、良くも悪くも「完全なる自己責任」。もし預けた資産が消失しても泣き寝入りするしかなくなる。ハイリスク・ハイリターンな投資手法だと肝に銘じてほしい。

仮想通貨初心者がDeFiにチャレンジするなら?

 では、そのうえで仮想通貨初心者がDeFiにチャレンジするならどうすべきなのだろうか? 「これからDeFiに挑戦する初心者は、次の2点に注意してください。  まずひとつ目は、そのサービスが始まってから半年以上たっているかどうか。新たに出てきたDEXなどはハッカーに狙われがちで、もしバグがあればサービス登場から1か月以内にハッキングされてもおかしくない。そのため半年以上ハッキングされずに生き残っているところなら、バグがある可能性が低いと判断していいでしょう。  2つ目は、新規のサービスでもネットワークのプログラムがコンパウンドや有名なDeFiと同じであるかどうか。コンパウンドはDeFiの火つけ役となったサービスなので信頼性が高め。そのコンパウンドと同じプログラムならば比較的安全です」  とはいえ初心者にとってはプログラムの違いなどわからず、使うサービスの見極めが困難だろう。具体的にどこを選べばいいのか。 「初心者ならまずはコンパウンド、ユニスワップ、パンケーキスワップといった、DeFi系サービスでも大手と呼ばれるところを使えばいいと思います。とはいえ、今ならオススメはパンケーキスワップですね。使い方としてはパンケーキスワップ内に仮想通貨をペアで預け、利息やガバナンストークンのCAKEを受け取ります。通貨ペアによってAPYが変わりますが、利率が高い通貨ペアはその分ボラティリティが激しく下落リスクが高い。預けた資金がロックされている間に大暴落する可能性があるわけです。なので、利率は低めでも法定通貨と連動するステーブルコインとのペアから始めたほうがいいでしょうね」 [総力大特集]儲かる仮想通貨 例えば、米ドル価格と連動する2種類の仮想通貨USDC(米国大手企業Circle社が発行するステーブルコイン)とBUSD(バイナンスが発行するステーブルコイン)のペアを預けた場合、APYは約30%(4月の場合)。最も安定的とされるこの通貨ペアですら十分な利率だ。DeFi投資は通常の仮想通貨投資に比べて、より高度な知識が求められる。まずは少額から始め、徐々にDeFiの世界を知っていくべきだろう。
[総力大特集]儲かる仮想通貨

パンケーキスワップの画面。通貨ペアごとに年利が表示され、数十〜1000%超まで利率の差が

【カナゴールド氏】

ブロックチェーンサービスやコンサルティングなどを行う企業「チューリンガム」でCOOを務める。ツイッターではDeFiをはじめとする技術系情報を積極的に発信 <取材・文/週刊SPA!編集部 画像作成/造田 健 図版/松崎芳則(ミューズグラフィック)>
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