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マッチングアプリで出会って800万円騙された! 仮想通貨「国際ロマンス詐欺」に注意

 仮想通貨の価格上昇に比例するように、仮想通貨を悪用した詐欺被害が増えている。今年4月には金融庁・消費者庁・警察庁の連名でマッチングアプリを用いた仮想通貨の投資詐欺への注意を促す文書が発表された。一体、どのような被害なのか。 [総力大特集]儲かる仮想通貨

注意!仮想通貨「国際ロマンス詐欺」が横行中

 詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明氏が話す。 「ビットコイン相場が盛り上がり始めた’20年後半から、私の元にも多いときで一日2件の被害相談が来るようになりました。被害者はいずれも投資経験がない人ばかりで、男女問わず被害に遭っています。一方、詐欺師は全員が外国人。中国人や台湾人、シンガポール人を名乗ることが多いようです」  被害者の多くは国内のマッチングアプリで詐欺師と出会っている。 「イケメンや美女のプロフィール写真に設定した詐欺師が一般のユーザーにアプローチをして、親密な関係を構築していき、次第に詐欺サイトなどに誘導するのです。こういった恋愛感情を悪用した『国際ロマンス詐欺』は昔からありましたが、仮想通貨やマッチングアプリを悪用している点が、まさに今の時代を象徴しています」

被害者の生活に入り込む

 マッチングアプリ経由でアプローチしてきた詐欺師は「結婚を目的とした真面目な関係」や「海外の友達」といった関係性を装い、投資とは無関係のやりとりを続けて被害者の生活に入り込むのだ。 「ある程度親密になったところで、詐欺師は『自分は投資に詳しい』などとアピールし、架空の仮想通貨投資サイトやオンラインカジノに誘います。もちろん架空サイトであり、実際にトレードは行われていませんが、巧妙に作られているサイトなので、投資初心者が見れば信じてしまうのです。  しかし、言われるままにトレードを繰り返しているうちに投資資金がかさみ、いつしか出金申請をしても応じてもらえなくなる。最後は詐欺師との連絡も途絶えます。私が把握しているなかで最も大きな被害額は、なんと6000万円です」
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詐欺被害に遭った30代女性
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