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「自分は経営者に向いてない」TikTok創業者、退任コメントが秀逸すぎたワケ

A.T.カーニー日本法人会長「音楽を諦めさせたのは布袋寅泰とレベッカ」

バンド もう一つの事例は、日本を代表する経営コンサルタントとして知られるA.T.カーニー日本法人会長・梅澤高明氏による「音楽を諦めさせたのは布袋寅泰とレベッカ」です。  同氏はNIKKEI STYLE「筑駒→東大法 大学5年で挫折したギタリストの夢」のインタビューの中で、バンドマンだった自身の学生時代を以下のように振り返っています。 「衝撃を受けたのは、ライブでご一緒することが多かった布袋寅泰さんやバンドの『レベッカ』があっと言う間に大ブレークしたこと。『あ、プロで食っていけるのはこういう人たちなんだ』と思い知らされました。 『G―SCHMITT』もそれなりに質の高い楽曲を作り、個性的なバンドだという自負はありましたが、『レベッカ』は僕らとは違い、誰にでも分かりやすく良い曲を書いてヒットしていたし、布袋さんは圧倒的にギターがうまかった。  とにかくステージに登場した時に発散するオーラが半端なかった。彼らのおかげで僕も納得し、潔く音楽をやめられました」  上記の発言で注目すべきポイントは、梅澤氏がレベッカや布袋寅泰氏のミュージシャンとしての圧倒的な実力に打ちのめされたことを認めつつ、自身がベーシスト・コンポーザーとして参画していたバンド「G―SCHMITT」が彼らと同格に近い存在だったことをさりげなく示唆している点でしょう。  実際、「G-SCHMITT」はかなりの実力派バンドとして界隈でその名を知られていたようです。

知性と実績が問われるシビアな世界

 誰かを貶してマウントを取ることは誰でも簡単にできます。  しかし、梅澤氏のように―もちろんご本人からすればマウントを取る気など微塵もないのでしょうが― 誰も傷つけることなく謙虚さを垣間見せつつそれでいて規格外のマウントを取っていくにはかなりの際立った知性と実績が必要とされることは言うまでもありません。  梅澤氏のような世界レベルの超エリートを目指すビジネスパーソンなら、ぜひとも参考にすべき事例なのではないかと思います。
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なぜ今、謙遜マウンティングが必要とされるのか?
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「人間のあらゆる行動はマウンティング欲求によって支配されている」「マウンティングを制する者は人生を制する」を信条に、世の中に存在する様々なマウンティング事例を収集・分析し、情報発信を行う。ツイッターアカウント@mountingpolice

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