更新日:2021年06月28日 14:11
ライフ

東京都・大規模接種センターでのワクチン接種が「感動の30分」だった理由

「プロジェクトX」さながらの接種会場

大規模接種センター

大規模接種センターに到着しました

 ここから先はまさに「プロジェクトX」の世界でした。ワクチンの大規模接種という前例のない事態に対して即席で作られたはずのオペレーションは、驚くほどスマートで圧倒的なスピード感がある、文字通りの「大規模接種作戦」でした。  まず入場ゲートをくぐると、人々は4つほどに分かれた入口からセンター内に入ります。さらに左右2列で処理されるので、同時に8列ほどをさばいていく形だったでしょうか。  その列ではひとつの工程にひとりの担当者がついており、「消毒どうぞ」「検温します」「検温済のシールを発行します」「手荷物検査します」「接種券と身分証と予診票を確認します」「ではこのファイルを持って奥へ」と次々に入場処理をされていきます。  駅の改札を通過していくくらいのスピード感で、8列の人々がザッザッザッと行進していくさまは壮観でした。  ときおり接種券を忘れたり、身分証明書を忘れたりする人もいますが、そうした人は別に待機しているイレギュラーな人用の対応窓口に誘導され、本流が滞ることはありません。あらかじめミスはあるものとして専用の人員が待ち受けているあたりは、強靭な現場力だなと感心しました。絶対に流れは止めない、そういう意志を感じました。

バケツリレーのようなスムーズな案内

 受付を終えた人は赤・青・黄・緑のファイルを渡され、必要書類をそこに入れて奥へと進みます。そこから先は「人間」と「色」によって迷いなく進めるような案内がされています。まず、通路ひとつ、角ひとつごとに細かく案内のスタッフさんが立っており、「はい、あちらへ」「はい、こちらです」とバケツリレーのように接種者がパスされていきます。  その案内だけでも十分なところに、さらに「色」のサポートが加わります。筆者が渡されたクリアファイルは青色だったのですが、青グループの人は床面が青色に塗られた待機場所に集められ、7人集まると青色のビブスを着用したスタッフさんの案内でさらに奥へと誘導されます。そこから先も、床に4色に色分けされた矢印が貼ってあり、それを見るだけでも目的地に進めるようになっています。  スタッフさんと矢印を見て奥に進むと、色分けされたエレベーターまで案内され、ちょうどぴったりの人数で接種フロアへと送られました。色ごとのグループで接種フロアが異なっており、それが予約サイトでの接種会場①~④という区分けに対応していた模様。ここまでの所要時間は10分かからないくらいでしょうか。待機場所にはイスも置いてありましたが、座ったのは数秒でした。
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いよいよワクチン接種へ
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