更新日:2021年07月15日 23:08
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元祖サウナ芸人・山口智充「裸で入るサウナに一般人も芸能人も関係ない」

裸になって、腹を割って話せる場所

山口智充――ほかにも思い出深いサウナはありますか? 山口:浅草ROXの「まつり湯」ですね。もう14、5年前になるかな、初めて一緒に仕事する関西のテレビ局のプロデューサーさんが、「打ち合わせしたい」ということで上京されたんです。最初の打ち合わせだからいい感じの飲食店を押えようとしていただいたんですけど、会った瞬間に「いい感じの人だな」って思ったので「風呂行きましょう。そこなら飯も食えますから」と言って「まつり湯」にお連れしたんです。 ――サウナはタレントとスタッフの打ち合わせにまで使えるわけですか。 山口:僕は最高の場所だと思いますね。変な話、隠し事もなんもないじゃないですか(笑)。その方にとってもそれがすごくよかったらしいです。ずっとやらせていただいた『にじいろジーン』(関西テレビ)という番組で、プロデューサーは5代目ぐらいまで替わりましたけど、番組が終わってもいまだにその初代の方とは付き合いがあります。最初に裸になって、本音で腹を割って話しができたからだと思いますね。結局、サウナの魅力ってそこなんじゃないですかね。誰かと一緒に行って、夢を語り合ってその後それが実現したりもするし、アホな話しをしながら生まれた企画もあるし、それがそのまま番組になったりもする。  そもそも、大衆浴場というのは昔から社交場、情報交換の場だったりするわけですから。人生のいろいろなことがサウナで生まれてると言っても過言ではありません。

自己完結するのではなく、人と触れ合う場所

山口智充――なるほど。現在のサウナブームは「ととのえる」というのがキーワードで、個人が疲れを取ったり、精神的にリフレッシュすることに主眼が置かれることが多くて、そこに他人の存在が必ずしも必要ではなかったりします。でも山口さんは逆で、むしろサウナには他者とのコミュニケーションを求めているんですね。 山口:そうかもしれません。自己完結できる趣味ではないですね。健康のために、というのももちろん目的には含んだうえで、「人と人」というのが根本にあるんです。仮に1人で行くとしても「今日はどんな人との出会いがあるんだろう?」みたいなことを考えてしまいます(笑)。 後はそのサウナ内に居酒屋スペースがあったら、より最高ですね(笑)。 山口智充 1969年、大阪府生まれ。バラエティ番組、ドラマ、映画、ラジオ、ナレーションアニメの声などで幅広く活動。2021年現在、歌と笑いの『ぐっさんのハッピーオンステージ全国50カ所ツアー』を展開中。 <取材・文/稲村ジン 撮影/山田耕司(人物)、林 鉱輝(施設)>
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ベストサウナ

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