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中国共産党100周年習近平演説を読み解く/小笠原理恵「自衛隊の“敵”」

中国共産党は人民解放軍に何を期待しているのか?

「我われ(中国共産党)は必ずや新時代の党の強軍思想を全面的に貫き、新時代の軍事戦略方針を貫徹し、人民の軍隊に対する党の絶対的指導を堅持し、中国の特色ある強軍の道を進むことを堅持し、政治建軍・改革強軍・科学技術強軍・人材強軍・法に基づく軍ガバナンスを全面的に推進し、人民の軍隊を世界一流の軍隊につくりあげ、より強大な能力、より確実な手段で国家の主権、安全保障、発展の利益を守らなければならない」  習近平主席の演説はこう続きます。中国は世界一の軍隊になるために突き進む。それが確実な手段で「国家の主権や安全保障」のみならず、「発展の利益」を守ることだと言っています。

習近平国家主席が主張する「発展の利益」とは何か?

「発展の利益」というのは中国が勢力を広げることです。たとえば、中国は台湾を統一したいと思っています。目的を達するために世界一の軍隊になるということです。わかりやすいですね。もちろん、一帯一路、南沙諸島、尖閣諸島も同じことです。  日本では軍事問題を語ることを嫌いますが、中国では軍民一体化してその勢力を拡大することを国家主席が堂々と宣言し、拍手で国民がそれを支持します。  軍に対しての絶対的な指導力を中国共産党が持ち、「政治」にも「改革」にも「人材育成」にも軍が関与し、その力で国家の主権や安全保障だけでなく発展の利益も守るという全世界に向けての宣言です。これが「軍民融合」という中国の政策です。「軍民融合」の名で安全保障上の機微な技術が奪われていることが先進諸国間で問題となっています。それも中国共産党が「発展の利益」に寄与するために「軍民が融合」して一体化して国が認めて推進しているからです。人民解放軍を世界一の軍隊にするという「確実な手段」で国家の主権、安全保障、発展の利益を守るという言葉の意味は「必要なら軍事力」を使うということです。そのために「世界一の軍隊になる!」という宣言は恐ろしいですが、わかりやすい話です。日本の軍事力増強の必要性を知る人がこの記事で増えてほしいものです。 <文/小笠原理恵>
―[自衛隊の“敵”]―
おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot


自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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