更新日:2021年07月17日 13:54
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熱海の土砂災害現場で注目された災害救助犬は真のエリート/小笠原理恵「自衛隊の“敵”」

―[自衛隊の“敵”]―
航空自衛隊浜松基地公式Twitterより

航空自衛隊浜松基地公式Twitterより

第2回 懸命な救助活動にあたる災害救助犬に集まった感謝のツイート

 2021年7月3日に静岡県熱海市を襲った大規模な土石流は甚大な被害をもたらしました。今もなお安否のわからない方がたくさんいますが、そんな懸命な救助活動が続けられるなか、「雨の中、泥だらけになりながらよく頑張ってくれました」「本当にありがとうね」というコメントが、航空自衛隊浜松基地のTwitterにたくさん寄せられています。  災害派遣の自衛隊員に対してではありません。行方不明者の捜索に駆り出されている災害救助犬に対してです。  なかには、「お疲れ様。きれいに洗ってもらって、ご褒美とおいしいごはんをもらうんだよ」といったコメントもあります。今回の災害派遣では、自衛隊員ではなく、彼ら自衛隊の災害救助犬たちが注目されました。

危険がいっぱいの災害現場でも活躍できるよう訓練を受ける

 瓦礫のなかに人がいないか泥まみれになって探す救助犬に災害犬用のブーツを履かせてほしいという声も多く寄せられました。土砂崩れの現場の泥には、割れたガラスや折れた木、曲がった金属類などさまざまな危険なものが埋まっています。 航空自衛隊浜松基地公式Twitterより 犬の足には柔らかな肉球があります。人間は靴を履いていますが犬は裸足です。海外の軍用犬は災害派遣時にブーツやゴーグルをつける場合があります。現在のところ自衛隊には災害救助犬用靴はありません。現場の自衛隊員が事前確認して危険場所には犬を入れない方針で運用しているそうです。災害救助訓練を終了した犬は適切な足場を判断する能力があり、安全な場所での運用に限るので心配しないでとのことでした。ただ、犬用の靴や装備品なら寄付したい人もいるようです。しかし、残念ながら自衛隊は寄付を受け取ることができません。
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災害救助現場の犬たちは難関をクリアしてきたエリート
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おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot


自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……


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