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エリートが「京都マウント」を多用する理由。銀座よりも西麻布よりも先斗町

③ 京都という街で過ごした自身の学生時代を嬉しそうに回顧

鴨川 3つ目は、「京都という街で過ごした自身の学生時代を嬉しそうに回顧」です。京都には数多くの大学が存在し、学生の街という側面があります。  東京生まれでありながら京都で学生時代を過ごしたエリートの多くは自分の中に京都という要素があることを見せびらかしたいと心の奥底で考えており、「何とかしてマウントにつなげられないか」と常日頃から思案しているものなのです。以下に具体例を示します。 「周りで京都移住が増えているようなのですが、大学時代に京都に住んでいた私としては、皆さんが京都の魅力に気付き始めてくれて本当に感慨深いなあという印象です」 「コロナで人と会う機会が激減して、生まれてきたのが大学時代を過ごした京都に帰りたいという気持ちでした。夜遅くまで研究に打ち込んで、友達と鴨川沿いまで歩いてチューハイを飲みながら語らう。今思えば、本当に幸せな日々だったな」 「ふと何かに呼ばれた気がして京都へ。学生時代を過ごした百万遍の定食屋で懐かしのとんかつを味わっています。学生時代は平気で大盛りをオーダーしていましたが、この年齢になるとさすがに胃がもたれるなあ」

京都の強さは圧倒的な「マウント力」にある

   今回、京都をマウンティングの観点から考察することを通じてあらためて考えさせられたのは、「なぜ、かくも人は京都に魅了され、京都でマウントを取ってしまうのか」ということです。  歴史的価値の観点から言えば、京都よりも奈良のほうが上ではないかと思いますが、マウント的価値の観点から言えば、誰が見ても京都の圧勝だと思います。雑誌の特集でも京都特集は頻繁に組まれますが、奈良特集が組まれることは滅多にありません。  マウンティングの文脈から見た京都の強さとして考えられる要因はいくつかあると思いますが、最も大きなものとしては、京都特有の奥ゆかしさを秘めた圧倒的な「マウント力」が挙げられるのではないでしょうか。歴史を通じて、京都はさまざまな場面で傑出した「マウント力」を発揮し、自らの立場を確固たるものとしてきたのです。  では、京都はどのようにして優れた「マウント力」を手に入れることに成功したのでしょうか。そのプロセスを分析することは、熾烈なマウント社会を生き抜くマウンティングエリートを目指す上で非常に大きな示唆を与えてくれる可能性があります。  ぜひコロナ禍が落ち着いた際には京都を訪れ、京都からマウントの極意を学ぶことをおすすめします。「1億総マウント時代」において、その必要性はますます高まっていくことでしょう。
「人間のあらゆる行動はマウンティング欲求によって支配されている」「マウンティングを制する者は人生を制する」を信条に、世の中に存在する様々なマウンティング事例を収集・分析し、情報発信を行う。ツイッターアカウント@mountingpolice
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