更新日:2021年08月04日 12:24
エンタメ

郷ひろみがステージに上がる理由「実は僕自身が一番励まされている」

自分が自分自身を知るということもすごく大事

郷ひろみ――ターンのキレ一つとっても、今も昔も変わりませんよね。むしろさらに美しくなっていっているようにすら感じます。 郷 今も自分がスピーディーに動けているという実感はありますし、そのスピード感の中で自分なりの楽しみ方ができています。仮に自分が楽しめなくなったときには、僕も(引退を)考えないといけないかもしれないですけどね……。  人からどう見えるかというのはもちろん大事だけど、自分が自分自身を知るということも僕の中では今すごく大事で。トレーニングを続けているお陰で、自分のイメージと身体の動きのギャップがまだないんです。若い頃の感覚と変わらないので、「あ、まだ大丈夫なんだろうな」と感じています。

私生活でも仕事でも、区別とか切り替えとかを考えたことがない

――それだけストイックに郷ひろみを続けてきている郷さんにぜひ聞いてみたかったことがあるのですが、日々の暮らしの中で“郷ひろみであることを休む”瞬間はあるのでしょうか? ご自宅でゆっくりしているときは完全にモードを切り替えてオフにするのか、それとも寝て起きたらもう郷ひろみなのか。 郷 正直なところ、オン・オフっていうのを僕はもう排除しているような気がしますね。私生活でも仕事でも、僕は区別とか切り替えとかを考えたことがないんです。  例えばステージに立つときは、メイクをして、衣装に着替えて、袖でスタンバイしてスタッフのみんなと楽しく話して、マイクチェックをして、音が鳴る。最初の今日が始まった瞬間にはもう、自分の中のスイッチは自然と入っていますよね。 「さあスイッチを入れよう」とか、「徐々に切り替えていこう」「上げていこう」なんていうのは意識したことがなくて、本番に向けた、ごく自然な流れの中で勝手に切り替わっていっちゃうので。いつどこでどうなっているのか、僕にもさっぱり分からない(笑)。  だから、ライブが始まる寸前まで周りのスタッフと楽しく談笑したりもしていますしね。コロナ前は本番直前に写真をお願いされても普通に応じていました。「本番30分前で、もう集中しているからできません」というのもないです。  その前のリハーサルで、100%のパフォーマンスが本番でできるよう集中をして一通り確認しているから、別に集中力を高めようとしなくても、本番で音が鳴って、ライトアップされたときに、もう既に郷ひろみが出来上がっているんです。仕事でも私生活でも、そのときそのときの自然体の自分でいるイメージですね。
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何千回何万回と歌ってきた曲ほど一番慎重にならないといけない
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フリーライターとして雑誌、Webメディアに寄稿。サッカー、フットサル、芸能を中心に執筆する傍ら、MC業もこなす。2020年からABEMA Fリーグ中継(フットサル)の実況も務め、毎シーズン50試合以上を担当。2022年からはJ3·SC相模原のスタジアムMCも務めている。自身もフットサルの現役競技者で、東京都フットサルリーグ1部DREAM futsal parkでゴレイロとしてプレー(@yu_fukuda1129

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