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なぜキングオブコントの王者はM-1王者よりも注目されないのか

いとしこいしがハサミで……

 最後に余談を… 「なにも持たずにマイクの前でしゃべるのが漫才」とおっしゃった、いとしこいし師匠がハサミ(小道具)を使われたことがります。昭和20年代の後半から30年代にかけただったと記憶していますが、ネタ中にネクタイを切ることをされています。  ファッションの話をしていて「君のネクタイもうちょっと短い方がええんちゃうか?」とハサミを出して“チョキン”大爆笑が来ると思たら、それまで笑ってた客席がシーンと静まり返ってそのあとも笑わなかった。 「当時はネクタイは貴重品やったから、切ったショックが大きかったみたいで、あれは大失敗やったな…」という話を後年伺いました。なんにでも例外はあります。今年はどんなコント、漫才を見せてくれるのか楽しみに待ちたいと思います。 文/本多正識
漫才作家。'84年、オール阪神・巨人の台本執筆を皮切りに、漫才師や吉本新喜劇に多数の台本を提供。'90年吉本総合芸能学院(NSC)講師就任。担当した生徒は1万人を超える。著書に『吉本芸人に学ぶ生き残る力』(扶桑社刊)などがある

吉本芸人に学ぶ生き残る力

NSC講師として1万人以上の生徒を送り出した伝説の講師が教え子たちに教えた生き抜く術とは

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