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コロナで赤字転落の「銀座ルノアール」。巻き返し策を幹部に聞いた

2020年は全社的な休業で赤字だった

ルノアール

インタビュー中の株式会社銀座ルノアール営業部部長・小林氏

 ちなみに、ビジネスブースではポイントカードも配布しているようだ。 「ビジネスブースによく来てくれるお客様に還元したい気持ちから、7月にポイントカード配布を始めたのですが、おかげさまで少しずつビジネスブースの常連のお客様もできました。これまでのお客様は40~60代がメインでしたが、今は20~60代と幅広くなっています」  これまで好調だった喫茶店チェーンだがコロナ禍での売上の明暗が分かれた。コメダ珈琲は2020年2月期決算短信だと31億2190万の黒字となり、給仕などすべて行うフルサービス型のなかで一人勝ちしている状態だ。一方で、銀座ルノアールは2020年に経常損失を出したが、2022年3月期第1四半期の決算は9400万円と黒字に浮上している。 「2020年は銀座や新宿などの繁華街地区で、全社的な休業となりました。さらに貸会議室も約2か月弱の休業となったのです。浮上した理由としては2021年1~3月に12店舗撤退による固定費の削減が、前年比較で利益の増加に寄与しているのだと思います

リモートワーク増「ビジネスブース」に価値が

ルノアール

ワンドリンク制で金額はホールでの値段と同じ。ドリンクは2杯目以降ブレンドやドリップアイスコーヒーなどがおかわり自由。朝はお得なモーニングがある

 ビジネスブースや貸会議室に関しては、長期的な投資効果を見込んでいるという。 「貸会議室は今後コロナ禍からの時代の流れで、企業として本社を持たずリモートや在宅で業務をこなすスタイルが増加すると思います。そこで大きな貸会議室の価値が出てくるはずです。ビジネスブースも同様でリモートワークもますます増加すると思われ、価値が見込めると思っています」  フルサービス型の競合・コメダ珈琲や椿屋珈琲との差別化については「継続的な接客の強化」を図っているそうだ。 「エリアマネージャーや本社スーパーバイザー、本社スタッフの店舗巡回にてリアルタイムの店舗運営をチェックしています。その結果を店舗責任者に適時通達し、早急な改善を実施しています。その後、追いチェックもし、徹底改善を図っています。また、接客やホスピタリティを向上させるために、月次でエリアマネージャー主体の会議を実施したり、ミステリーショッパーも活用したりしています」
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