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中国の人権侵害への非難決議と日本人の不安/小笠原理恵「自衛隊の“敵”」

―[自衛隊の“敵”]―

中国は他国の人民をいじめ、抑圧し、隷属させたことはない

 さる2月1日、中国は海上警備を担う海警局に武器使用を認めるという法律を施行しました。4月には海警局の権限を強化する海上交通安全法を改正。この9月から施行されるこの法律では「外国船が中国の領海の安全を脅かす可能性があれば退去を命じることができる」とされ、さらに「違反した船を追跡すること」も認めています。  日本の海上保安庁のものより排水量の大きな中国公船は、常に数隻のローテーションで日本の南西諸島沖の海域を周回しています。中国が領土領海を一方的に主張する海域で漁を行う日本漁船の不安はいかばかりか……。日本漁船が拿捕され拘束されたらどんな目に遭うのかを想像すると、出漁できない気持ちもわかります。  先ごろ、中国共産党の100周年記念演説のなかで、習近平国家主席は「中国人民はこれまでに一度も他国の人民をいじめ、抑圧し、隷属させたことはなく、これは過去にも、現在にもなく、また今後もありえない」と述べました(あわせて「中国は常に世界平和の建設者、世界発展の貢献者、国際秩序の擁護者である」とも言っています)。  本当にそうでしょうか? ここに、中国政府によって逮捕されたウイグル人女性が、自身に起きた出来事を告発した絵本がありますので、少しだけ内容を紹介したいと思います。

幸せな結婚生活を送っていたウイグル人女性を襲う過酷な運命

 清水ともみさんの著書『私の身に起きたこと〜とあるウイグル女性の証言〜』(‎季節社)。
私の身に起きたこと(季節社)

『私の身に起きたこと〜とあるウイグル女性の証言〜』(‎季節社)

 この本では、エジプトで幸せな結婚生活を送っていた女性が、中国に帰国した途端、子供たちを奪われ拘束され投獄された話が赤裸々に描かれています。監視カメラに見張られた狭い部屋に50人以上が詰め込まれ共産党賛美の歌を歌い、さまざまな注射を打たれ、電撃棒で拷問を受ける日々……。犯罪でも何でもなく、ただウイグル人だというだけで投獄された事例にぞっとします。  中国政府によるウイグル人への暴虐と弾圧については、この女性のほかにも証言が数冊のシリーズとして発行されています。どれも優しいタッチの絵で語られていますが、その内容の残虐さに震え上がります。 【noteで読む】⇒ウイグル漫画日本語版まとめ  ウイグル・チベットやモンゴルなどで暮らす「少数民族」に対する強制労働や強制収容所での虐待の問題は近年、やっと先進国でも取り上げられるようになりました。
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国際社会は中国の人権侵害に「NO!」を突き付けた
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