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自衛隊員へのワクチン接種は進んでいるのか?/自衛隊の“敵” 第6回 小笠原理恵

―[自衛隊の“敵”]―

災害派遣で絶え間なく全国各地を飛び回る自衛隊員

自衛隊の“敵”vol.06.ph.A

今年8月に起きた長崎県雲仙市における土砂災害でも、自衛隊が人命救助のため派遣された(自衛隊 大村駐屯地Twitterより)

 毎年、夏になると豪雨災害が繰り返されています。特にこの10年は「記録的豪雨」や「避難指示」といったニュースの見出しを目にする機会が増え、自衛隊員が災害派遣で投入されるケースが格段に多くなりました。  この夏、静岡県熱海市で発生した土砂災害では、7月3日から31日の間に延べ9000人以上の隊員が現地入り。8月に入って起きた青森県風間浦村の土砂災害でも、孤立した集落への救援物資輸送のため派遣されました。このほか、河川の氾濫で市街地に水が溢れ出た佐賀県や土砂崩れの起きた佐賀県、さらには、新型コロナウイルスで医療逼迫が起きた沖縄県にも隊員が災害派遣で投入されるなど、自衛隊は絶え間なく出動要請に応えています。  この結果、自衛隊員のお盆休みは吹っ飛んでしまいそうです。ほとんどの若い独身の自衛隊員は隊舎で集団生活を送っています。職場の人と一緒の休暇では十分にくつろげません。防衛大臣は災害が多発するシーズンが終われば、長期休暇の「代休」が取れるようにご配慮いただきたいと思います。

東京2020五輪も自衛隊が“総力戦”でサポート

 2021年度、自衛隊では災害派遣以外でも派遣要請が続いています。東京・大阪に新型コロナワクチン自衛隊大規模接種会場の運用に自衛隊の医官200人と看護官80人が投入されました。この大規模接種は8月23日に閉鎖予定でしたが、急ピッチでワクチン接種を進めなければならないこともあり、1か月の延長が決定。自衛隊の業務に支障が出ることも懸念されるなか、 9月下旬まで任務に当たることとなりました。  さらに、7月18日からは東京2020五輪・パラリンピックの運営支援で、陸海空の自衛隊から約8500人が派遣されました。オリンピックで開閉会式や授賞式での国旗掲揚、会場警備・医療支援を自衛隊員が担当しています。
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自衛隊のワクチン接種はどうなっているのか?
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