ライフ

東大生が感動した「読みやすいのに、簡単に理科の知識が身につく本」ベスト3

○『眠れなくなるほどキモい生き物』大谷智通著、猫将軍絵

眠れなくなるほどキモい生き物

眠れなくなるほどキモい生き物

 皆さんは「寄生虫」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか? 僕は、昔見た映画で、人体に寄生する虫が出てくる作品が浮かびます。この作品がトラウマになっていて、いまでも寄生虫と聞くと足の裏あたりがゾワゾワするほどです。  さて、世界広しと言えども、まさか現実に、人体へ寄生する虫は……いるんです。しかも、結構ヤバいやつがいます。  たとえば、日本なら「日本住血吸虫」なんていう虫がいました。この100年ほどで、この虫による被害はなくなりましたが、もともとは「寄生されたらほぼ助からない」と恐れられたヤバすぎる寄生虫でした。

なぜか引き付けられてしまう「寄生虫」の世界

 この虫の一生は「ミヤイリガイ」という貝の中から始まります。この貝の中で卵が孵化し、育った幼虫は、やがて貝から出て水場に潜みます。この幼虫がいる水場に素足を突っ込むと、その瞬間! ……なんと、幼虫が皮膚を破って体内に侵入し、寄生するのです。  寄生された人間は、まずは発熱から始まり、徐々に手足が細っていき、そして腹が異常なまでに膨れて死に至りました。腹の膨れ具合は1メートルほどにも及んだといいます。古くは武田信玄の家来もが感染したのではと言われるほどで、この地域では大変恐れられた病気でした。  これが「日本住血吸虫」という虫の仕業だと判明し、それが「ミヤイリガイ」という貝の中で卵が孵化するということがわかったのが、いまから100年ほど昔のこと。そこから、地道にミヤイリガイの駆除を続け、ようやく1996年に日本住血吸虫症の終息が宣言されたのです。  この『眠れなくなるほどキモい生き物』には、このようなあらゆる寄生虫が、猫将軍氏による美麗かつ緻密なタッチの挿絵とともに紹介されています。まさに「眠れなくなる」こと請け合いです。それでも、この本を手に取るのは「寄生虫」たちに、不思議な魅力があるからではないでしょうか。
次のページ
動物たちの動きを物理視点から解説
1
2
3
4
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

東大式節約勉強法東大式節約勉強法

目標達成のための最短ルート、最小コストの具体的な方法が満載


人生を切りひらく 最高の自宅勉強法人生を切りひらく 最高の自宅勉強法

週3バイトしながら東大に合格した著者が明かす「最高の勉強法」


東大合格はいくらで買えるか? (星海社 e-SHINSHO)東大合格はいくらで買えるか?

東大生100人調査でわかった教育投資の正解 (星海社 e-SHINSHO)


記事一覧へ
おすすめ記事