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東大生が感動した「読みやすいのに、簡単に理科の知識が身につく本」ベスト3

○『動物たちのすごいワザを物理で解く』マティン・ドラーニー、リズ・カローガー著 吉田三知世訳

動物たちのすごいワザを物理で解く

動物たちのすごいワザを物理で解く

 秋といえば、紅葉、読書、食欲、スポーツ以外にも、雨というイメージがあります。もうピークとなる時期は過ぎたかもしれませんが、台風が多い季節です。そもそも「秋雨」なんて言葉もあるように、秋といえば、やはり長い雨も珍しくありません。  さて、やはりこちらもシーズン外れですが、蚊という虫がいます。夏に出てきて、耳元をプンプンと音を立てつつ飛び交っては血を盗んでいく、ニクい存在です。  あの非常に小さくて、軽くて、ちっぽけな蚊。なぜあいつは、激しい雨が吹き付ける日にも、外を飛べるのでしょうか? どう考えても雨粒のほうが蚊よりも大きいというのに。  普通に考えたら、風に吹き飛ばされ、雨粒にたたきつけられ、となるはずです。雨が降ったあと、道路に大量の小さい虫の死体が打ち付けられていても不思議ではありません。でも、そんな光景なんて、見たことありませんよね。  しかし、実は雨の中を飛んでいる蚊は「雨粒に乗って一緒に落下している」のです。ひらひらと舞い落ちる落ち葉にキックを加えても、葉が壊れないのと原理は同じ。衝撃と同じ方向に移動しているので、ダメージを受けずに済んでいるのです。

必要なのは「実に面白い」と言える好奇心

 動物たちの暮らしには、こうした高度な物理的現象が作用しています。水に濡れた犬が水滴を振り払うために体を揺さぶるのも、アメンボが水上に浮いているのも、ネコがミルクをなめるときにピチャピチャと舌を細かく出し入れするのも、すべて物理的な視点から理由を説明できるのです。  天才物理学者が主人公のドラマ『ガリレオ』のような複雑な式計算は、この『動物たちのすごいワザを物理で解く』では必要とされません。「実に面白い」と言える好奇心だけあればいい。生き物好きなら、あなたにこそ間違いなくオススメできる作品です。  今回、紹介した3冊は、どれも身のまわりの理科について手軽に学ぶことができる作品ばかりになります。 「計算はちょっと……」と思っていても大丈夫。難しい知識は抜きにして、まずは理科の一番面白いところから触れてみるのはいかがでしょうか。
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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