更新日:2022年01月23日 07:02
エンタメ

アニメ『鬼滅の刃』無限列車編から「キメツ学園」まで!炎柱・煉獄杏寿郎の魅力に迫る

―[鬼滅夜話]―
 興行収入400億円突破という、日本映画史上初の大記録をうちたてた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。現在、放映中のアニメ2期は、この劇場版にテレビオリジナル映像を加え、再編集されたものだが、炎柱・煉獄杏寿郎の新しいショットはファンを喜ばせた。ここでそのオリジナルショットに加え、アニメ1期・2期、劇場版特典として配布された『煉獄零巻』、「キメツ学園」などで見せる、煉獄杏寿郎の「表情」に注目し、彼の人気の秘密について考えていきたい。神戸大学の研究員であり、11月18日には民間伝承・比較民俗学の視点からセリフに潜む本心をキャラクターごとに分析した『鬼滅夜話』(きめつやわ)が発売される植朗子氏に分析してもらった。 【ご注意下さい!】この記事には、漫画『鬼滅の刃』8巻までの内容と、『鬼滅の刃・無限列車編』ならびに、劇場版の来場特典として配布された『煉獄零巻』のネタバレが含まれます。 ※『煉獄零巻』は販売されていませんが、『鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弍』(集英社)に「煉獄零話」として収録されていて、読むことが可能です。
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画像は鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐 (ジャンプコミックス)より

アニメ2期「無限列車編」のオープニングの“不穏さ”

 アニメ「無限列車編」が放送開始になると、オープニングとエンディングが話題になった。中でもとくに注目が集まったのは、炎柱・煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)と、主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)とのツーショットの場面だろう。このオープニングは、“目を閉じた”煉獄と炭治郎のアップから始まる。やがて2人は目を開くと、彼らの立ち位置を左右で入れ替えて、互いの身体を交差させる。 「無限列車編」で彼らは“同じ敵”に立ち向かうはずなのに、なぜ彼らは「別々の方向」へと足を進めたのか。この「交差」の場面は、彼らの道が「やがて、わかたれる」ことを視聴者に予感させる。  オープニングの曲は、アニメ1期と劇場版に続き、歌手のLiSA氏が歌っているが、「明け星」のメロディは、明るさよりも“揺らぎ”や“不穏さ”が表現されており、歌詞もまた、これから死闘で傷ついていく煉獄杏寿郎の苦難を想起させるものだった。
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「無限列車編」での煉獄杏寿郎
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1977年和歌山県新宮市生まれ。神戸大学国際文化学研究推進センター協力研究員。大阪市立大学文学部国語・国文学科卒。大阪市立大学大学院文学研究科前期博士課程修了。神戸大学大学院国際文化学研究科後期博士課程修了。博士(学術)。専門は伝承文学、神話学、ドイツ民俗学。著書に『「ドイツ伝説集」のコスモロジー -配列・エレメント・モティーフ-』(鳥影社)、共著に『はじまりが見える世界の神話』(創元社)、『「神話」を近現代に問う』(勉誠出版)など

鬼滅夜話

キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』


ニュースサイト「AERAdot.」の人気連載・『鬼滅の刃』のキャラクター分析記事を大幅に加筆した『鬼滅夜話』待望の書。2020年12月から始まった神戸大学研究員の植朗子氏による分析記事は、配信されるたびにSNSで話題となり鬼滅ファンからも認知されているようになった人気連載。SNSでの「単行本で読みたい」という声にお応えし、大幅加筆&キャラクターも追加! 炭治郎や禰豆子、鬼殺隊の「柱」メンバー、鬼たちのセリフや行動の裏にあるものとは!? 全352ページで読み応えもたっぷり。鬼滅ファン必携の書!

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