更新日:2022年01月23日 07:02
エンタメ

アニメ『鬼滅の刃』無限列車編から「キメツ学園」まで!炎柱・煉獄杏寿郎の魅力に迫る

“下がり眉”の煉獄先生

「キメツ学園・バレンタイン編」では、どうしてもバレンタインにチョコレートをもらいたい、生徒の我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)が、煉獄先生にアドバイスを求めに行く場面が描かれている。善逸のおバカな質問に煉獄先生はどんなふうに答えてあげるのだろうかと、ファンの期待は高まった。  そして、呼び止められて、「モテるために気をつけていること?」と、不思議そうに問い直した煉獄先生は、これまでにないほど柔らかい表情をしていた。鬼との戦いでは、見たこともないような煉獄杏寿郎の“下がり眉”。  善逸のためにアゴに手をあてて、自分がチョコレートをもらった理由を真剣に考える煉獄先生は、あの時の「炎柱・煉獄杏寿郎」とは違い、眉間にシワを寄せることもなく「下がり眉」のキョトンとした表情のままだった。この「キメツ学園」での彼の愛らしい表情は、より新鮮な驚きと喜びをファンに与えた。

あふれる煉獄杏寿郎の魅力

 幼少期・少年時代の煉獄も、劇場版で炎柱としての責務を全うした煉獄も、どれも物悲しさを感じさせるものが多かったため、「キメツ学園」の煉獄先生の表情の“可愛らしさ”はファンの心をほっとさせた。  しかし、アニメ「無限列車編」では、この後も厳しい戦いが続く。われわれは彼の戦いを見届けなくてはならない。アニメのエンディングでは炭治郎たちの先頭を歩くいつもの明るい煉獄の姿、幸せだった頃の煉獄家が映し出される。そして、なにより本編で、戦い切った煉獄杏寿郎のあの最後の笑顔を、アニメ「無限列車編」ではしっかりと目に焼き付けたい。 (文/植朗子)
1977年和歌山県新宮市生まれ。神戸大学国際文化学研究推進センター協力研究員。大阪市立大学文学部国語・国文学科卒。大阪市立大学大学院文学研究科前期博士課程修了。神戸大学大学院国際文化学研究科後期博士課程修了。博士(学術)。専門は伝承文学、神話学、ドイツ民俗学。著書に『「ドイツ伝説集」のコスモロジー -配列・エレメント・モティーフ-』(鳥影社)、共著に『はじまりが見える世界の神話』(創元社)、『「神話」を近現代に問う』(勉誠出版)など

鬼滅夜話

キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』


ニュースサイト「AERAdot.」の人気連載・『鬼滅の刃』のキャラクター分析記事を大幅に加筆した『鬼滅夜話』待望の書。2020年12月から始まった神戸大学研究員の植朗子氏による分析記事は、配信されるたびにSNSで話題となり鬼滅ファンからも認知されているようになった人気連載。SNSでの「単行本で読みたい」という声にお応えし、大幅加筆&キャラクターも追加! 炭治郎や禰豆子、鬼殺隊の「柱」メンバー、鬼たちのセリフや行動の裏にあるものとは!? 全352ページで読み応えもたっぷり。鬼滅ファン必携の書!
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