ニュース

朝日新聞「天声人語」への“筋違い”の批判ツイート。原文、ちゃんと読んでる?

原文を読まずに批判している?

 さらに気になるのは、このツイートが《「野党におきゅうをすえるべき」って言ってんでしょ?》と書いている点です。「言ってんでしょ?」ということは、ご自身は元の文章を読んでいない、誰かからそう聞いて書いたようにも受け止められます。誰かが誤解したことをそのまま“受け売り”で拡散してしまったのでしょうか?  あるいは「この文章は野党におきゅうをすえるべきという意味なんでしょ」と指摘しているのかもしれません。しかし、この「天声人語」をそう読むのは、やはり誤解だと思います。  このツイート主さんはかなり多数の方からフォローされているので、普段からツイート内容が多くの方に支持されていると思います。それだけに誤った内容もツイートされると広く拡散してしまいます。実際に「新聞の購読をやめる」と反応している方もいます。

“誤解”と“受け売り”による誤情報を防ぐ

ネットニュースイメージ 誤った情報は意図的に流されることもありますが、このように“誤解”と“受け売り”によって広がることも多いのではないかと感じます。批判は大いに結構なんです。野党共闘を支持する方が天声人語の主張を批判するのはまったく構わないと思うんですけど、まず元の文章にあたりませんか?  問題とされた「天声人語」はネット上では有料ですが、冒頭だけは無料で読めます。そして問題とされた部分は、その冒頭の無料部分に書かれています。 「批判するなら原文をきちんと読んでから」  これをネットのマナーとして常識化することで、誤った情報の拡散はある程度防げるのではないかと思います。 文・写真/相澤冬樹
無所属記者。1987年にNHKに入局、大阪放送局の記者として森友報道に関するスクープを連発。2018年にNHKを退職。著書に『真実をつかむ 調べて聞いて書く技術』(角川新書)『メディアの闇 「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相』(文春文庫)、共著書に『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』(文藝春秋)など
1
2
おすすめ記事