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伝説の元グラドル・小阪由佳。“誰でも芸能人になれる時代”について思うこと――2021年ベスト5

「私にはもう需要がないのかも」

小阪由佳 小阪さんは現役時代、休む暇などなく働き、当然、アルバイトなどをすることもなく芸能一本で生活していたという。彼女と同年代で現役グラビアアイドルでもある筆者(吉沢さりぃ)が補足すれば、これは並大抵のことではない。実際は何かアルバイトなど副収入を得なければ、食べていけない人も多いのだ。   端から見れば、まさに順風満帆だった。ところが、デビューして5年が経った頃、小阪さんの心境に変化が起きる。 「急に不安になってきたんです。あまりに順調すぎたせいか、スケジュールに少しでも空きができると『私にはもう需要がないのかも』と思い悩むようになってきたんです」

AKB人気に押されて…仕事がなくなるグラドルたち

 時代が変わってしまったら、私はどうなってしまうのだろうか——。  小阪さんがそんな焦燥感を覚えた頃は、AKB48がデビューする前だったが、まるで彼女たちの登場を予感していたかのように不安は増幅していた。  AKB48が水着の仕事を始めると、グラビアアイドルたちは徐々に仕事が減り始めた。その勢いは次第に増していく。  そして、歌って踊るだけではなく、水着にもなれるライブアイドルたちが台頭。雑誌のグラビアはページが限られているため、彼女たちの人気に押し出されるかたちで、グラビアアイドル全体の仕事が激減していったのだ。 「20代前半で若かったので、プライドも高くて。他の仕事と掛け持ちをしてまで芸能の仕事を続ける気はなかったんです。グラドルからバラドルに転身できましたし、役者として素晴らしい作品にも抜擢していただけましたが、いまいちチャンスを活かせた実感はなかった。そんな自分が許せないときもありました。いま思えば、ちょっと考えすぎていたのかもしれません」
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個人でも輝ける時代がくるとは思わなかった
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ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

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