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メガバンクの危機は“10年に一度”のサイクルを知っていれば当然の話

売上で経費をカバーできるビジネスモデルの確立

どんなことでも長く続けていれば、何かのタイミングで突如上昇気流が発生することがあります。低空飛行でもいいので、とにかく飛んでいさえすればその気流を摑むことが可能です。しかし、上昇気流の発生を確認してから離陸したのでは間に合わない。だからこそ、ずっと飛んでいる状態を作る。つまり、売上で経費をすべてカバーできるビジネスモデルを確立することが大事であると思います。 低空飛行の重要性は、ほかの商売でも言えることだと思います。現に、知り合いのベンチャー経営者にこの話をすると多くの人が納得してくれます。最初から成功することが分かってリスクを取る人はほとんどいません。まずはビジネスの世界に飛び込んで、実践の中で低空飛行を学ぶ。そして、長く続けているうちに必ずチャンスは巡ってくる。問題はそこまで続けられるかどうか。それだけです。

なぜ必ずチャンスが巡ってくると断言するのか?

なぜ必ずチャンスが巡ってくると私が断言するのか? 経済危機は約10年に一度のサイクルでやってきます。その時、それまでの正解は不正解になります。新しい流れの前には、既得権だって崩れ去る。私はその大きなうねりと、既存の業界の崩壊をこの目で見てきました。 バブル期の就職活動で私が目指したのはマスコミと金融です。どちらもバブルを代表する華やかな業界でしたが、あれから30年経ってどちらも斜陽産業と化しています。 自分で勤めていたこともありますが、銀行がまさかこんなことになるとはバブルの絶頂期に誰が想像したでしょう。しかし、もう銀行の斜陽産業化が明白になっているにもかかわらず、それでも銀行への幻想を捨てられない人が多いみたいです。大学生の就職ランキングの上位に未だ銀行がたくさん出てきます。これは教育の敗北でしょうか? すでにこんなニュースが何度も報じられているのに……。
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大幅な人員と店舗減が計画されるメガバンク
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1969年、東京都生まれ。経済評論家。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一名誉教授に師事し、薫陶を受ける。リフレ派の論客として、著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中

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