更新日:2021年12月18日 02:25
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M-1決勝進出コンビ「王者になる資格が全9組にある」元M-1ファイナリストが解説

「M-1。なかなかの波乱やな。」   M-1グランプリの決勝進出者が発表された翌日、審査員の一人である松本人志さんはTwitterでこうつぶやいた。かくいう私ユウキロックも度肝を抜かれ、準決勝の審査員及び運営サイドに対して「勝負に出たな」という思いでいた。  しかし、準決勝の配信ですべてのネタを確認すれば波乱など一切ない。波乱という言葉で片付けたら失礼。そう思えるほど彼らのネタ、彼らの熱意、彼らの魂が、昨年のファイナリストや過去に実績のある漫才師たちを凌駕した。  初出場5組を含むこの9組に松本さんをはじめとする審査員の7名は度肝を抜かれるはずだ。そんな最強の漫才師9組をご紹介しよう! 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

▼インディアンス(吉本興業)3年連続3回目

インディアンス

インディアンス

 ツッコミ担当きむ、ボケ担当田渕章裕からなる吉本興業所属のコンビである。  3年連続決勝進出ではあるが、昨年は敗者復活戦から決勝の舞台へ舞い戻る形となり、彼らからすれば納得できる決勝進出ではなかったはず。今回は堂々正面突破での決勝進出である。  ハイテンションで速射砲の如くボケまくる田渕くんに対して切れ味鋭くツッコむキム君。昨今のM-1グランプリは「笑神籤システム」導入により自分たちの出番が直前にしかわからない。

リズムとテンポ、ボケ数で勝負する正統派

インディアンス だから順番に翻弄される傾向はある。昨年、笑神籤のいたずらかトップバッターが敗者復活組となり、そこから勝ち上がったインディアンスは、屋外の敗者復活ステージから駆け足でスタジオへ向かい、緊張感漂う開幕ステージを見事に務めあげた。  ハイテンション、ハイテンポのインディアンスは、どの順番を引いても結果を残せる存在であることを証明してみせた。  奇抜な漫才師が出揃った今大会でリズムとテンポ、ボケ数で勝負する正統派漫才師のインディアンスが逆に唯一無二感があり、光る存在になっているから面白い。「浪速のスピードスター」インディアンスが「全速力」で王者となれ!
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高学歴コンビの間違いのない知性と高いクオリティ
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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