ツッコミ担当芝大輔、ボケ担当ともしげからなるマセキ芸能社所属のコンビである。天然ともしげ君のボケなのか間違いなのかわからない行いに対して、新世代関東実力派ツッコミの一人である芝君が的確なツッコミをビシビシ決め笑いを増幅させていく。 「いつ決勝に行ってもおかしくない」と思われていた彼らだが、準決勝の舞台すら踏めないほど苦しんでいた。天然ともしげ君を生かす漫才だけに彼の調子の良し悪しでその日の漫才の出来が左右するという不安定な部分があったと思う。 　それが今大会の準決勝では「この手があったか！」と思われる部分があり、切り返しも素早く、無駄がない漫才を披露。真空ジェシカ同様、初準決勝から決勝まで駆け上がった。 　今年の夏に芝君と話をした。彼のM-1に対する思いを聞きたかった。俺は彼が見た目からして「カッコつけだろうな」と思っていたので「モグライダーはM-1まだ権利あるの？」と知っているのにわざと感心がないような聞き方をした。 　すると、芝君は「ありますけど、もう僕らはいいんすよ……」とやはりカッコつけていたが、目がギラついているのを見逃さなかった。そして、記者会見では「お待たせしました。今まで照れちゃってたのかな……しっかり構成したので、ここまでこれたと思ってます」という言葉。何もまとっていないむき出しの芝君がそこにいた。 　これだよ、これ。それが一番かっこいい。むき出しで掴んだ決勝の舞台で、むき出しのモグライダーが爆発する。優勝して泣き叫ぶモグライダーを見せてくれ！