ツッコミ担当伊藤俊介、ボケ担当畠中悠からなる吉本興業所属のコンビである。 　昨年までのM-1連続出場組である見取り図、ニューヨークが準決勝で敗退する中、インディアンスとは違い、こちらは敗者復活戦を経ることなく正面突破の3年連続出場。今年のABCお笑い新人グランプリを圧倒的な強さで制した彼らは名実ともに今年のM-1グランプリの顔、大会を牽引する存在である。 　ロートーンで始まる彼らの漫才（議論）はドンドン白熱し、比例するかのごとく爆笑の波が襲ってくる。 　ロートーンで始まるがゆえに昨年の大会ではツッコミ担当伊藤君に対して審査員である松本さんから「静かなままツッコんでほしい」という意見があり、その後オール巨人師匠からは「最初から大きな声でツッコんでほしい」という正反対とも取れる意見が飛び出し、苦悶の表情を浮かべる2人だった。 　しかし、準決勝の舞台を見る限り、「これならば両氏を納得させられるのではないか」とう俺は唸った。だからこその決勝進出なのかもしれない。 　ここ数年のM-1グランプリでは初出場組か、数年ぶりに決勝の舞台に舞い戻ってきたコンビしか優勝しておらず、連続出場組では2016年大会の銀シャリ以来王者は誕生していない。 　今回の決勝に対して「本命不在」との評価もある。しかし、それはオズワルドを軽視している言い回しだ。燃える材料はすべて揃った。静かなる青い炎で王者をもぎ取れ！