ファミマ、コンビニスイーツ戦争に挑む商品開発の苦心。新作は週2、3ペース
スイーツのトレンドは移り変わりが激しい。毎年流行る商品が生まれては、また新たなブームが巻き起こり、別のスイーツが台頭する。
食の中でも、スイーツは常に話題に事欠かない存在と言えるのではないだろうか。
そんななか、コンビニスイーツは毎週新作の商品が発売されるほど、非常に回転が早いことで知られている。「コンビニスイーツ戦争」と呼ばれるほど各社がしのぎを削り、年々多様化を見せるコンビニスイーツだが、大手コンビニエンスストアはどのように商品開発を行い、美味しいスイーツを生み出しているのか。
まず、コンビニスイーツの変遷について杉本さんへ伺うと「ファミリーマート創業の頃からスイーツのカテゴリーは存在していた」とし、次のように話す。
「当時はシュークリームやプリンといった馴染み深いスイーツが陳列されていました。コンビニは今も昔も男性層からの支持が高く、スイーツを購入する割合も男性のお客様の方が多かったんです。おしゃれで高級なお店でスイーツを購入するには敷居が高く、気が引けてしまう一方、コンビニであれば安くて手軽に購入できる。
このようなニーズが直近5〜10年くらいまでは多く、この頃のスイーツ上位ランキングを見返しても、定番中の定番である商品が並ぶ状況でした」
そんななか、コンビニスイーツの先駆けとなったのはローソンが2009年に発売した「プレミアムロールケーキ」だった。
本格的なスイーツがコンビニで気軽に買えるということから、女性を中心に人気を博し、テレビ番組で紹介されるなど大きな話題化につながった。
対するファミリーマートも、「Wクリームエクレア」(2008年発売)や「俺のスイーツ」(2010年発売)シリーズが大ヒットし、コンビニスイーツブームを盛り上げてきた。
とりわけ、男性向けスイーツとして発売した「俺のスイーツ」シリーズは、日経MJヒット商品番付でも取り上げられ、コンビニスイーツというカテゴリーが定着するきっかけにもなったと言える。
2010年代以降、コンビニ各社はオリジナルのスイーツ開発に本格的に取り組み始め、次々と新商品を発売するような「コンビニスイーツ戦争」が勃発する。
「ここ最近では、コンビニ各社の動向を見ても、大きなパラダイムシフト(劇的な変化)が起きていると感じています。コンビニスイーツがメディアに露出され、日常的にコンビニでスイーツを購入するお客様が増えたことで、より高品質で美味しいスイーツが求められるようになりました。さらに、コロナ禍のような社会情勢の変化によって、その流れは加速しているように思えます」
今回は株式会社ファミリーマート 商品本部 デザート担当の杉本隆彦さんに、コンビニスイーツのトレンドや商品づくりで心がけていることについて話を聞いた。
昔はシュークリームやプリンが定番のスイーツだった
コンビニスイーツの発展で競争が激化
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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